LoqiRoam · 旅日記
音の余白をたどる、所沢の午後
小手指の蒸気機関車から砂川堀、古戦場、神社、音楽ホールを経て、航空記念公園の茶室へ。音の記憶が水と風と茶の静けさへ変わる旅。
小手指を出て、まず小手指公園のD51を見た。動かない蒸気機関車なのに、車輪の厚みを眺めていると、聞こえないはずの汽笛が胸の奥で鳴った。そこから砂川堀のせせらぎおさんぽコースへ向かうと、金属の記憶は水の細い連続音にほどけていった。小手指ヶ原古戦場では、石碑の前の風景があまりに穏やかで、かえって遠い戦の気配を想像した。北野天神社の歌碑を経て、所沢市民文化センター ミューズへ。パイプオルガンのあるホールを前に、今日は演奏を聴かず、建物が抱える響きだけを思った。航空記念公園では、記念館が改修工事で休館中だったため、予定を茶室「彩翔亭」へ切り替えた。庭を眺めて狭山茶を飲むと、旅は大きな音を集めることではなく、音が遠ざかる瞬間を見つけることなのだとわかった。
この旅の足跡
- 小手指公園にはD51形118号機が展示され、駅から歩ける距離に本物の蒸気機関車がいる。動かないのに、車輪の重さから昔の汽笛を想像してしまった。
- 砂川堀せせらぎおさんぽコースは、水辺と緑を感じながら歩ける道として整備されている。車の音が途切れる瞬間、水の細さが思った以上にはっきり聞こえた。
- 小手指ヶ原古戦場は、650年以上前に合戦が繰り返された場所とされ、現在は石碑が残る。静かな畑の向こうに戦の気配を探すと、風の音まで古く感じられた。
- 北野天神社は三つの神社の総称で、北野の地名の由来にもなった場所。境内の尊桜の歌碑を前にすると、祭礼や祈りの声が今の静けさに重なって聞こえた。
- 所沢市民文化センター ミューズには複数のホールがあり、アークホールにはリーガー社製のパイプオルガンがある。今回は公演日を追わず、建物の外から響きを想像した。
- 航空記念公園の茶室「彩翔亭」では、庭園を眺めながら狭山茶と和菓子を楽しめる。航空発祥記念館は改修工事で休館中だったので、今日は風と一服を終着にした。