LoqiRoam · 旅日記
灯台の先で、海を三つの縮尺で見る
走水の伝承、観音崎の灯台と自然、港の公園に残る船の記憶をつなぐ、海の縮尺を変えて歩く旅。
堀ノ内を出たときは、ただ海の方向へ歩けば何か見つかると思っていた。走水神社では、日本武尊と弟橘媛命の伝承が、今の住宅地のすぐ隣に残っていることに足を止めた。そこから観音崎へ進むと、灯台の上で東京湾を行き交う船が線になり、海が大きな道として見えてきた。けれど自然博物館に寄ると、その同じ海は海藻や磯の生物、森の環境へと縮まる。帰りに横須賀の中心へ移り、ヴェルニー公園のバラ越しに艦船を眺め、最後は三笠の甲板に上がった。伝承、航路、生きもの、花、船。大げさな名所巡りではないのに、三つの小さな発見が互いの意味を少しずつ変えていった。
この旅の足跡
- 走水神社は日本武尊と弟橘媛命を祀る社で、海辺の町に古い伝承が今も残っている。静かな境内に立つと、さっきまでの住宅地が急に物語の舞台へ変わった。
- 観音崎の灯台は東京湾の入口を見張る場所にあり、初代は日本最初の洋式灯台だった。白い塔の向こうを船が横切り、景色が一瞬で航路図のように見えた。
- 観音崎自然博物館は森と岩礁海岸に囲まれ、東京湾集水域の生きものを紹介している。灯台から見た大きな海が、海藻や磯の生物という細部へ縮んで見え始めた。
- ヴェルニー公園は横須賀本港を一望でき、バラの向こうに米海軍や海上自衛隊の艦船が見える。花の香りと重い船体が同じ視界に入り、港の時間が折り重なった。
- 記念艦三笠は現存する世界最古の鋼鉄戦艦として保存され、甲板へ上がると巨大な船が急に現実の乗り物になる。港の風が、展示された歴史を少し動かしていた。