LoqiRoam · 旅日記

水野から、曲がるたび瀬戸

水野から瀬戸中心部へ歩き、神社、商店街、珈琲、産業史、現代工芸を曲がりながらつないだ旅。

水野を出たときは、駅の近くを少し歩いて終わるつもりだった。けれど、まっすぐ進むより一度曲がったほうが面白そうで、瀬戸の中心へ向かった。深川神社では、古い信仰と陶祖の気配が思ったより近くにあり、町の焼き物が単なる名産ではなく、祈りや暮らしの続きなのだと感じた。そこから商店街へ下りると、観光のために整えられた景色より、川沿いの道や店先のほうが気になった。末広町の珈琲店では、自家焙煎の香りに足を止め、予定を少し遅らせた。瀬戸蔵では昭和の駅や窯が現れ、さっき歩いた町の背後に煙突と工場の時間が重なった。最後に工芸館へ寄ると、古い陳列館の姿を受け継ぎながら、陶芸とガラスの新しい制作が動いていた。帰り道、招き猫の表情まで見たくなったのは、たぶん曲がり角を選び続けたせいだ。

この旅の足跡

  1. 深川神社は平安期の記録にも登場し、境内には陶祖を祀る陶彦社がある。静かな社殿なのに、瀬戸の焼き物の話が急に近くなって少し驚いた。
  2. 神社から商店街へ抜ける道は、観光地の顔より生活の背中が見える。瀬戸川と古い店並みの距離が近く、曲がるたびに町の表情が変わった。
  3. 末広町のSeto Coffeeは自家焙煎珈琲と手作りフードを掲げ、10時から19時まで営業している。商店街の角で、予定より長く座りたくなった。
  4. 瀬戸蔵ミュージアムでは昭和30〜40年代の町並み、旧尾張瀬戸駅、工場や石炭窯まで再現されている。現在の町に昔の煙突が重なって見えた。
  5. 瀬戸市新世紀工芸館は旧瀬戸陶磁器陳列館を再現した展示棟と、陶芸・ガラスの制作や展示の場を備える。無料なのに、町の未来が静かに動いていた。
  6. 招き猫ミュージアムは薬師町にあり、10時から17時まで開館する。小さな表情の違いを見比べていると、瀬戸の土が急に親しげに笑い始めた。
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