LoqiRoam · 旅日記
町の角を六つ曲がる
西大洲から路地、城下町、赤煉瓦、城、山荘、水辺へと視線を変えながら歩いた。
西大洲では駅を目的地にせず、まず生活道の静けさへ歩き出した。おはなはん通りに出ると、商家と武家屋敷の境目に合わせた通りの幅が見えて、道はただの通路ではなく町の記憶をしまう器なのだと思った。そこから赤煉瓦館へ曲がると、木の町並みに近代の赤が差し込み、時間が一方向に流れていないことに驚く。大洲城では少し高い場所から、さっき選んだ角を見下ろした。けれど旅の気分を決めたのは、城の力強さより、その後に入った臥龍山荘の静かな縁側だった。最後は肱川橋の眺望へ下り、水面に町の輪郭がほどけていくのを眺めた。まっすぐ進まなかったからこそ、同じ大洲が何度も別の顔を見せてくれた。
この旅の足跡
- 西大洲を出て、細い生活道の先に町の輪郭がほどけていく。駅前らしさを探すより、最初の曲がり角で歩幅を決めるほうが面白い。
- おはなはん通りは商家と武家屋敷の境目にあり、火事の延焼を抑えるためとも考えられた幅がある。広いのに、脇道へ曲がりたくなる不思議な通りだ。
- おおず赤煉瓦館は1901年の大洲商業銀行本店として建てられた。古い町家の中で赤い壁だけが少し異質で、町の時間が一枚ではないと気づく。
- 大洲城は肱川を見下ろす位置にあり、木造復元の天守が町の屋根越しに立つ。ここまで来ると、さっきの路地が地図ではなく高低差として見えてくる。
- 臥龍山荘は9時から17時まで年中無休で、数寄屋建築から肱川を借景に眺められる。城の力強さの後では、縁側の静けさが少し意外に深い。
- 肱川橋眺望広場は城下町と川を一度に見渡せる新しい視点場。名所を見終えたつもりで歩くと、最後に水面が町の続きを作っていることに気づく。