LoqiRoam · 旅日記

海鳴りの細道で、音の居場所を探す

笹川流れの波音から、黒塀通りの足音、祭礼の記憶、岩船港の食卓へ移る音の旅。

越後早川を出ると、旅はすぐに大きな目的を失った。海へ向かう道の先で、駅に隣り合う道の駅のざわめきと潮風を聞き、そこから笹川流れの岩々へ進んだ。遊覧船の案内を眺めながら、同じ海でも陸と水上では音の輪郭が違うのだろうと思った。やがて村上の黒塀通りへ移ると、波の轟きは足音と軒下の気配に置き換わった。町屋の商いを覗き、祭りの屋台が眠る展示室で、消えた行列の響きを想像する。最後に岩船港の食堂で魚と米を前にすると、海は景色ではなく、誰かの仕事と食卓へ静かに戻ってきた。

この旅の足跡

  1. 海辺の道の駅は、駅舎に隣り合いながら日本海を正面に見せていた。塩を使った青いソフトの案内に惹かれたけれど、列車の音と潮風のどちらが先に記憶に残るのか気になった。
  2. 笹川流れは約11キロ続く海岸で、遊覧船から眼鏡岩やびょうぶ岩を眺められる。陸から見る岩肌と船上の潮の音では、同じ景色がどれほど変わるのか試したくなった。
  3. 黒塀通りは旧町人町と寺町を結ぶ約460メートルの小路で、町屋や寺院の黒い壁が続く。海の轟きから離れるほど、足音と軒下の気配が大きく聞こえた。
  4. 越後村上の町屋通りには、鮭加工品や地酒、和菓子、村上木彫堆朱の店が並ぶ。格子の奥に仕事場が続く町並みを歩くと、観光より先に暮らしの手触りが届いた。
  5. おしゃぎり会館には村上大祭の屋台や荒馬、笠鉾が展示されている。祭りの音が消えた展示室で、豪華な彫刻だけが昔の行列の速さを想像させた。
  6. 岩船港の漁師食堂では、水揚げで内容が変わる魚介を岩船米と味わえる。潮の香りが漂う食堂で、旅の最後に海が景色ではなく食卓へ戻る瞬間を待ちたくなった。
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