LoqiRoam · 旅日記

線路の向き、そばの香り

駅前のそばから神社の参道、旧線路跡の橋、牧場へと歩き、看板と小道の両方から新得の暮らしをたどった。

出発してすぐ、駅前のそば店の看板に足を止めた。太めの麺を想像しながら通りを歩くと、町の中心は観光地らしく飾られているというより、食べる人と帰る人のために静かに働いているようだった。そこから新得神社へ向かい、開拓の由来を持つ社殿と山への石段に出会う。約200体の石仏が続く参道は、目的地へ急ぐ道ではなく、ひとつずつ視線を留めるための小道だった。山裾を回ると、今度はD51のあるSL広場。旧線路跡のポッポの道では、線路そのものが消えたあとにも道の癖だけが森に残っていた。レンガの橋が突然現れたところで、散歩は歴史の読解に変わる。最後は共働学舎の牧草地へ寄り、鉄と石の記憶をチーズと風の景色へほどいた。駅へ戻る道では、朝に見た看板まで少し違って見えた。

この旅の足跡

  1. 太めの新得そばと、創業から百年を超える店の気配。駅前で看板を眺めていると、列車待ちの町ではなく、そばを目的に歩く町に見えてきた。
  2. 石段の先にある神明造の社殿と、開拓初期から続く由来。境内へ入ると町の音が薄れ、山の入口に歴史が立っている不思議さがあった。
  3. 新得山の参道には約200体の石仏が並ぶ。ひとつずつ表情を探していると、桜の名所という紹介より、長い小道そのものが気になってきた。
  4. D51が静かに保存されるSL広場から、旧狩勝線の約10kmが始まる。線路は消えても、道の向きだけが森の中に残るのが面白い。
  5. 旧狩勝線のレンガアーチ橋は、自然の中で突然現れる小さな構造物。列車の音を想像しながら立つと、森の静けさの厚みまで見えてくる。
  6. 駅から徒歩約40分の牧場で、チーズや農場の風景に出会える。線路跡の硬い記憶から牧草地へ移ると、新得の看板は食べ物だけでなく暮らしも指している。
地図と足跡で読む