LoqiRoam · 旅日記
道を決めない午後
町田の仲見世商店街から天満宮、芹ヶ谷公園へ歩き、薬師池と七国山の古道へ移る。賑わい、芸術、水辺、丘陵、祈りの順に景色がほどけた。
町田駅前では、まず人の流れに逆らわず歩いた。けれど仲見世商店街の細い入口を見つけると、予定はすぐに脇へそれた。小さな間口の店と食べ物の匂いを抜け、参宮橋の先の町田天満宮で大きな楠を見上げる。そこから芹ヶ谷公園へ下ると、噴水の水音と版画美術館の気配が街の緑に重なった。後半はバスで薬師池へ移動した。江戸の古民家、水車小屋、池の水面を順番に眺めるうち、目的地へ向かう感覚が薄れていく。七国山では二手に分かれる道をあえて選び、最後に野津田薬師堂の木彫とイチョウの木陰へ。迷ったというより、町に次の角を選ばされた一日だった。
この旅の足跡
- 仲見世商店街は全長約80メートル、間口の小さな店が密集するレトロな通りだった。食べ物の匂いに誘われて曲がったら、町田の入口が急に濃くなった。
- 町田天満宮は参宮橋の先に社殿と大きな楠があり、商業地のすぐ隣なのに空気が一段静かだった。由緒の古さより、木陰の深さに驚いた。
- 芹ヶ谷公園は町田駅から歩ける緑豊かな公園で、彫刻噴水と国際版画美術館が同じ景色に入る。水音を追ったら、街の中の芸術に出会った。
- 薬師池は東京都指定名勝で、江戸時代の旧永井家住宅と旧荻野家住宅、水車小屋まで園内に残る。池を見に来たのに、屋根と木陰ばかり見ていた。
- 七国山の周辺には鎌倉古道の碑や農地へ抜ける道があり、坂の向こうで町の輪郭がほどける。見晴らしより、二手に分かれる道の誘惑が強かった。
- 野津田薬師堂は古い木彫の本堂と大きなイチョウが印象に残る場所だった。丘を越えた先で急に時間が遅くなり、帰り道を決めるのが惜しくなった。