LoqiRoam · 旅日記

光の端で、札幌の西から北大へ

二十四軒から北大の農場・ポプラ並木・総合博物館を経て、美術館、植物園、古い喫茶店へ。都市と自然の影の変化を歩いた。

二十四軒を出たとき、旅はまだ輪郭を持っていなかった。住宅地の塀や電柱が落とす細い影を眺めながら歩くと、やがて北海道大学の広い緑地に入り、街の音が遠のいた。農場の向こうに続くポプラ並木では、名所らしい正面の眺めより、枝の影が道の上でゆっくり形を変えることに心を奪われた。総合博物館では、札幌農学校以来の歴史と膨大な標本が、外で見た土地の記憶を別の角度から照らしてくれた。その後、美術館で作品と窓辺の影を見比べ、植物園の木立へ。最後は古い家屋の喫茶店で珈琲を前に、窓枠の影が机を横切るのを見送った。寄り道ばかりの午後が、光の端でひとつの線になった。

この旅の足跡

  1. 二十四軒を出ると、目的地のない道にも電柱や塀の影が細く伸びていた。駅の周りに留まらず、街の西側から光の向きを読む午後にする。
  2. 北海道大学札幌キャンパスは市街地のなかに177ヘクタールの広がりを持ち、生物生産研究農場や研究林まで抱えている。歩き始めた街の音が、ここで急に遠くなった。
  3. 北大のポプラ並木は約80メートル歩ける道として整えられ、木々の間から農場がのぞく。名所を見に来たのに、正面の景色より足元を流れる枝の影に惹かれた。
  4. 北海道大学総合博物館は札幌農学校以来の歴史を展示し、約300万点の標本・資料を保管している。外の木陰を見たあとでは、展示室の標本も土地の影のように見えた。
  5. 北海道立近代美術館は札幌市中央区北1条西17丁目にあり、展示替え期間や月曜休館が設定されている。窓から入る外光と作品の影を、街歩きの途中で確かめたくなった。
  6. 北大植物園は札幌駅から徒歩約10分の中心部に残る緑のオアシスで、園内には温室やベンチもある。高層の街を背に木立へ入ると、空の色まで柔らかくなった。
  7. 森彦本店は古い家屋を使った札幌の喫茶店として知られ、窓枠の影と珈琲の香りが小さな空間に重なる。歩いた道を説明せず、変わる光だけを眺めて終わりたい。
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