LoqiRoam · 旅日記
池のほとりで、道を変える
学園前の住宅街から池、美術館、遊園地跡、山寺、赤膚焼の工房へ、景色の速度を変えながら進んだ。
学園前では駅前の便利さに捕まらず、南の住宅街へ曲がった。庭のあるカフェで抹茶を待つあいだ、旅の輪郭が少し柔らかくなる。そこから大和文華館へ進むと、東洋美術の展示だけでなく、竹の中庭や池を望む建物の構えに足を止めた。次の角は蛙股池。古い記録に名を残すため池が、今も遊歩道と風を町に渡している。さらにあやめ池へ移ると、かつて遊園地や劇場まであった場所が、住宅と緑の静かな景色になっていた。そこで気が変わり、バスで霊山寺へ向かう。境内とバラ園の時間を確かめておいたので、丘の空気を焦らず味わえた。終着は赤膚焼の工房。窓越しの手仕事を見ていると、今日選んだ曲がり角は、地図よりも素材に近いところへ続いていた。
この旅の足跡
- 学園南の住宅街に、庭つきの小さなカフェが隠れていた。大和抹茶の甘味は濃く、駅から数分なのに急に時間がゆるむ。
- 大和文華館は東洋古美術の館なのに、展示室の中央に竹の中庭がある。蛙股池を背にすると、建物が少し庭へほどけて見えた。
- 蛙股池の周遊路を歩くと、古い記録に登場するため池が今も町のオアシスとして残っている。水面の風だけが、道の向きを決めた。
- あやめ池は、かつて遊園地や温泉、劇場まで集まった場所だった。今は住宅と緑が池を囲み、賑わいの跡が静けさに変わっている。
- 霊山寺は本堂が10時から16時、境内とバラ園は8時から17時。丘の寺へ着くと、住宅地の気配が庭と古い堂宇に切り替わった。
- 西ノ京町の赤膚焼の工房では、大きな窓越しに作業風景を見学できる。白釉と奈良絵の器を知り、最後は土の温度で旅を閉じた。