LoqiRoam · 旅日記
光の縁を歩く
玉川上水、公園、神社、住宅地、店先、駅前へ。光の変化を追ううち、砂川の歴史と暮らしが重なって見えた。
武蔵砂川を出たとき、駅のまわりはまだ一枚の景色に見えた。玉川上水へ向かうと、水面に空が細くほどけ、木の葉の揺れが光の形を変えていた。砂川公園では、住宅地の中の木陰に子どもたちの散歩の気配が残っていた。阿豆佐味天神社では、砂川新田の歴史を背負う境内に入り、明るさが一段深くなるのを感じた。そこから低い塀や植木鉢の続く道へ出ると、名もない家々が斜めの光を受けて一軒ずつ違って見えた。歩き疲れたころ、店先の香りが視線より先に町を知らせてくれた。終わりに駅前へ戻ると、空の色はガラスと看板に分かれて移っていた。自然の光を探していたはずが、最後には町が光を受け渡す仕組みを見ていた。
この旅の足跡
- 玉川上水の細い流れに、空が途切れながら映っていた。水面より、木々の隙間から落ちる光の方がよく動いて見える。
- 砂川公園は住宅地の中にあり、子どもたちの散歩にも使われる場所らしい。広い景色ではなく、木陰の端だけが明るくなる瞬間を見た。
- 阿豆佐味天神社は砂川新田の鎮守として1629年に創建された。境内の小さな流れから社殿へ向かうと、明るさが急に静まった。
- 低い塀と植木鉢の続く道では、観光地でない家々の輪郭を斜めの光が一軒ずつ拾っていた。歩くほど、町の細部が近くなる。
- 店先から漂う香りで、視線より先に町を知った。窓辺の食器には外の光が残り、歩き続けていた気持ちが少しほどけた。
- 夕方の駅前では、空の色より先にガラスと看板へ色が移っていた。帰る場所なのに、光の重なりで少し遠く見えた。