LoqiRoam · 旅日記
水と森のあいだ、遠い音を聴く
旧道の坂から滝、川辺、里山、歴史展示、遺跡、観覧車へ。土地の起伏と時間を音でつないだ旅。
鶴ケ峰を出てすぐ、鶴ヶ峰坂の急な傾斜に足を取られた。旧八王子道の難所だったという説明を思い出すと、息の音まで昔の道に置いていくようだった。白根神社では中堀川の白糸の滝に出会う。住宅地の奥に幅のある水音があり、景色の予想が少し外れた。帷子川親水緑道へ戻ると、木陰と流れが駅前の速度を薄めてくれる。さらに四季の森公園へ向かい、池、湿地、水田、雑木林のあいだで鳥の声を探した。聞こえたものだけでなく、聞こうとして黙った時間も旅になった。午後は横浜市歴史博物館で、横浜の暮らしを展示の静けさからたどる。大塚・歳勝土遺跡公園では、復元された環濠集落と方形周溝墓のそばを風が通り、遠い時代が急に地面の近くへ戻ってきた。最後に観覧車の高さから街を眺める。森の暗さ、商業施設の明るさ、帰りを急ぐ人の足音。その全部が、今日は同じ場所から生まれた音に聞こえた。
この旅の足跡
- 鶴ヶ峰坂は長さ218メートルの急坂で、旧八王子道の難所だったという。歩き始めにいきなり息が弾み、昔の馬の蹄鉄の音まで想像してしまう。
- 白根神社の境内を流れる中堀川には、幅7メートル、高さ3.5メートルの白糸の滝がある。思ったより堂々としていて、住宅地の奥から水の低い響きが返ってきた。
- 帷子川親水緑道は、鶴ケ峰駅から歩いて数分なのに旧河川敷の緑が濃い。水辺の風と葉の擦れる音が近く、駅の放送が急に遠いものに聞こえた。
- 四季の森公園には池、湿地、水田、水車小屋、雑木林が残る。はす池の近くで立ち止まると、鳥の声を探す自分の沈黙まで風景の一部になった。
- 横浜市歴史博物館の常設展は横浜の歴史を扱い、開館時間は9時から17時。展示室の静けさの中で、さっきの葉音を思い出すと土地の時間が少し長く感じられた。
- 大塚・歳勝土遺跡公園には、弥生時代の環濠集落と方形周溝墓が整えられている。草地を渡る風は展示物ではないのに、古い家の輪郭を今へ戻していた。
- モザイクモール港北の5階には大観覧車があり、平日は11時から21時まで利用できる。高い場所から見ると、森の暗さと商業施設の明るさが同じ街の音景になる。