LoqiRoam · 旅日記
影の濃淡を追って、蓮田の南へ
見沼代用水、黒浜公園、黒浜沼、カフェ、伊奈のバラ園をつなぎ、水辺・暮らし・庭園で変わる影を追った。
蓮田を出て、まず見沼代用水のまっすぐな道へ向かった。水路沿いの歩行者道は、街の気配を少しずつ田園へ薄めていく。水面に草の影が細く揺れ、直線の景色なのに、歩くほど余白が増えた。黒浜公園では野球場やテニスコートの明るさに出会う。人のために整えられた場所の脇で、木立の影だけが勝手な濃淡をつくっていた。黒浜沼へ進むと、上沼の遊歩道とヨシの岸辺が現れ、古い桟橋の影が水面に沈んでいた。そこで一度、黒浜のカフェへ寄り、クレープやガレットの気配に旅の速度を預ける。自然を眺める目は、休むことで少し遠くまで見える。終着の伊奈町制施行記念公園では、約400種のバラが並ぶ庭を歩いた。花の色は強いのに、最後に残ったのは支柱と葉が地面へ落とす細い線だった。影を眺める小旅行は、暗いものを探す旅ではなかった。明るさが何かに触れたときだけ現れる、短い形を拾う旅だった。
この旅の足跡
- 見沼代用水は水田の中を伸びる歩行者・自転車道につながり、蓮田駅からも歩き継げる。草の影が水面に細く揺れ、まっすぐな水路なのに景色は少しずつ変わっていく。
- 黒浜公園は野球場、サッカー場、テニスコートを備えた広い公園。明るい運動場の縁に木々の影が落ち、ボールのための場所にも、風だけが通る余白があった。
- 黒浜沼は上沼の岸に遊歩道があり、ヨシの群落や古い桟橋が水面の輪郭を縁取る。風が止まると空が浮くより先に、岸辺の影がゆっくり溶けていった。
- 黒浜のノウノウカフェはクレープやガレット、東南アジア料理を扱う店として紹介され、月曜と火曜が定休。水辺の余韻を甘さや香りに置き換えたら、影の旅にも小さな休符ができた。
- 伊奈町制施行記念公園のバラ園は約1.4ヘクタールに400種5000株。園路とバラのアーチを歩ける一方、見頃の外れた季節には花より支柱や葉の影が目立ち、庭の骨格が見えてくる。