LoqiRoam · 旅日記

見えない町の輪郭を歩く

讃岐府中から発掘資料、伝承の丘、国府跡、国分寺を経て府中湖へ向かい、土地に重なる時間を歩いた。

讃岐府中の駅を出て、まず香川県埋蔵文化財センターへ向かった。展示を見てから田畑の間の道へ入ると、景色は急にただの田園ではなくなる。鼓岡神社では、古墳と崇徳上皇の社殿、木ノ丸殿を模した擬古堂が同じ丘に重なっていた。そこから讃岐国府跡へ進むと、建物の痕跡が土の下にあるせいか、何もない場所ほど想像を要求してくる。讃岐國分寺では、行政の中心だった土地に信仰の空間が残る不思議な続き方を感じた。最後は府中湖へ出た。細い道で拾った伝承と発掘の話が、水面と山の輪郭に静かにほどけていく。予定通りに歩いたというより、曲がるたびに土地の時間が少しずつ変わった旅だった。

この旅の足跡

  1. 駅を出ると、予讃線の線路と田畑の間に細い道が伸びていた。観光地らしい入口が見えないぶん、最初の曲がり角を自分で決められるのが面白い。
  2. 無料で見られる展示室に、香川で見つかった遺物と讃岐の歴史を通観する展示がある。発掘の話を先に聞くと、ただの田園が急に厚みを持って見えてきた。
  3. 石段の先に、崇徳上皇を祀る社殿と、木ノ丸殿を模した擬古堂がある。古墳の前に後世の記憶が重なり、静かなのに物語が多すぎる丘だった。
  4. 讃岐国府跡は大型建物跡などの調査成果が積み重なる場所だが、今は土と畑の静けさが先に来る。何もないように見える空白こそ、想像を働かせる。
  5. 讃岐國分寺は四国八十八箇所の第八十番札所で、境内はほぼ段差なく歩ける。寺院の静けさと、先ほどの国府跡の広がりが思いがけず呼応した。
  6. 府中湖の水面まで来ると、細い道で拾った古い話が風景の中でほどけていく。水辺の静けさと遠くの山の輪郭に、予定より長く立ち止まった。
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