LoqiRoam · 旅日記
白河で、曲がり角の向こうへ
小峰城から宿場の蔵、だるまの手仕事、資料館、南湖、白河関跡へ。城下町の記憶を路地と景色でたどった。
豊原から白河へ出て、最初は小峰城の石垣を見上げた。立派な三重櫓よりも、震災で崩れた石垣を伝統工法で直したという時間の厚みに惹かれた気がする。そこから表通りを外れ、旧脇本陣の蔵座敷へ。旅籠が並んだ道の奥に、明治天皇も泊まった蔵がひっそり残っていて、白河は正面より裏側に記憶をしまう町なのかもしれない。だるまの店では、丸い顔と商いの手触りに出会い、資料館で縄文土器から城下町までを見て、歩いた道を頭の中で組み直した。最後は南湖公園へ向かった。士民共楽の池は、庭園なのに遠い山まで受け入れていた。さらに白河関跡まで足を延ばすと、今日の旅は名所巡りではなく、町の中心から古い境目へ、曲がり角を一つずつ選ぶ旅だったと分かった。
この旅の足跡
- 駅から少し歩くと、白河小峰城の三重櫓が丘の上に現れる。震災で崩れた石垣を伝統工法で直したと知り、城は建物より修復の時間まで含めて立っている気がした。
- 表通りの奥に、旧脇本陣柳屋旅館の蔵座敷が残る。江戸の旅籠が並んだ町で、明治天皇も泊まった蔵だという。入口から奥へ視線が吸われるつくりで、道そのものが部屋の続きに見えた。
- 白河だるまは、松平定信のお抱え絵師・谷文晁の意匠が由来とされる。丸い顔の奥に城下町の商いが続いていると思うと、土産物が急に地図のように見えてきた。
- 白河市歴史民俗資料館では、縄文土器から小峰城、松平定信、戊辰戦争までが一つの展示室につながる。街を歩いてから見ると、さっきの道が急に何層にも重なって見えた。
- 南湖公園は1801年、松平定信が身分を越えて楽しめる『士民共楽』の場として築いたという。池を回ると遠くの山まで景色に組み込まれ、庭園なのに町の外へほどけていく感じがした。
- 白河関跡は古代の国境で、現在は白河神社のある丘と白河関の森公園に隣接する。ここまで来ると観光地を巡ったというより、道の端が昔の境目に触れたようで、少しだけ帰り道が惜しい。