LoqiRoam · 旅日記

糀谷から、消えた川と小さな山まで

商店街から富士塚、古い石鳥居、消えた川の緑道を経て、多摩川沿いの広い空へ抜ける旅。

糀谷では、まず駅前を抜けておいで通りへ入った。七夕や大市の気配、だんごや大福を扱う店の並びを見ていると、旅は名所の収集ではなく、誰かの普段に少しだけ混ざることなのだと思う。萩中商店街では、曲がる方向に旗があり、54店の生活の帯が続いていた。そこから南へ向かうと、羽田神社の富士塚が現れる。平らな町の中に人工の山があり、登山道と浅間神社まである。これは反則気味に面白い。北へ戻って子安八幡神社の石鳥居を見たあとは、旧呑川緑地へ。埋め立てられた川の形が細長い緑道として残り、桜とクスノキの下で、消えた水の流れを想像した。最後は多摩川大師橋緑地へ出た。路地の角を選び続けた一日の終わりに、空だけが急に大きくなる。町は狭くなったり広くなったりしながら、まだ先へ曲がれそうな余白を残していた。

この旅の足跡

  1. おいで通りは、七夕飾りや大市の気配が残る商店街だった。和菓子店のだんごと大福まで見つかり、入口だけで帰るのが惜しくなる。
  2. 萩中商店街は54店が加盟する生活の長い帯で、糀谷商店街を抜けて左へ曲がると旗が現れる。空港の近さより、町の時間の厚みが先に見えた。
  3. 羽田神社の富士塚は明治初めに築かれた人工の富士山で、登山道と頂上の浅間神社まである。平地の町で急に山を見つけた感じがして、少し可笑しい。
  4. 北糀谷1-22-10の子安八幡神社には大田区指定の石鳥居があり、境内にはイチョウやタブなどの寺社林もある。大きな観光地ではないのに、入口が妙に記憶に残る。
  5. 旧呑川緑地は、昭和35年頃に埋め立てられた川の跡を使った約1.7kmの細長い緑道だ。桜とクスノキの下を歩くと、消えた水の形がまだ道に残っている。
  6. 多摩川大師橋緑地は本羽田の川沿いに広がる大きな緑地で、町の細い道を歩いたあとに空と水面が一気に開く。終着なのに、次の橋まで行けそうな気分になる。
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