LoqiRoam · 旅日記

角を選ぶたび、三田がほどけた

擬洋風建築、地域の祭礼、図書館、水辺、文化施設をつなぎ、町の記憶と景色の変化を味わった。

三田本町を出て、今日はまっすぐ進むことを少しだけ避けた。屋敷町へ向かう道で最初の角を曲がると、旧九鬼家住宅資料館の擬洋風建築が現れ、和風の骨格に洋風の意匠が混じる不思議な時間の重なりに足が止まった。近くのふるさと学習館では、建物一軒から町全体の記憶へ視線が広がる。三輪神社では、秋祭りの夜に行われる波宇也踊を想像した。太鼓とササラ、六人衆の動き。静かな境内なのに、見えない音だけが残っている。図書館でいったん歩みを休め、拾った歴史を頭の中で並べ替える。そこから武庫川へ出ると、路地の近景が川と田園の大きな景色へ反転した。最後は郷の音ホールへ。自然に馴染む文化施設を眺めながら、今日の旅は名所巡りではなく、角を選ぶたびに町の層をめくることだったのだと思った。

この旅の足跡

  1. 屋敷町の旧九鬼家住宅資料館は、明治初期の擬洋風建築。和風の骨格に洋風の意匠が混じり、曲がり角の先で時代が少しねじれて見えた。
  2. 三田ふるさと学習館の周辺では、古い町の資料と建物が近い距離に並ぶ。展示を見る前から、道そのものが小さな前室のように感じられた。
  3. 三輪神社では、秋祭りの夜に太鼓とササラを使う波宇也踊が伝わる。今は静かな境内なのに、六人衆の動きを想像すると空気が急に動き出した。
  4. 三田市立図書館は本を借りる場所であると同時に、知と憩いの拠点でもある。神社の祭りを思い返しながら、次の道を本棚の間で選びたくなった。
  5. 武庫川ウォーキングコースは約4.8キロで、川の流れと田園風景を眺めながら歩ける。細い町道のあとにこの広さが来ると、景色のほうが先に歩き始める。
  6. 郷の音ホールは武庫川沿いにあり、大小のホールや展示室を備える文化拠点。自然の色を意識した建物が、川辺の風景に溶け込みながら人の声を待っていた。
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