LoqiRoam · 旅日記
谷へ降りる光
水生植物園から寺、温泉街、滝、吊橋、足湯へ。光の強さと向きを追った山あいの散歩。
駅を出ると、最初に見えたのは大きな景色ではなく、水生植物園の池に細く揺れる空だった。八つの区画をゆっくり巡り、葉の間の明るさが変わるたびに足を止めた。そこから温泉街へ移ると、妙雲寺の門と木陰が別の時間をつくっていた。とて焼の甘さで歩く感覚を戻し、竜化の滝へ向かう。三段の水は遠くからでも白く、森の暗さを押し返していた。吊橋では流れが細く遠ざかり、光は滝のような強さから、川面の小さな反射へ変わった。最後に足湯で立ち止まると、山の明るさがゆっくり沈み、旅の終わりだけが静かに見えてきた。
この旅の足跡
- 水生植物池、湿生植物池、高山のお花畑など八つの区画がある園内。朝の光が池ごとに違って見え、駅の近さにも少し驚いた。
- 塩原温泉の門前に立つ妙雲寺は、塩原665にあり、本堂や文化財が残る。木陰の光が古い建物の輪郭を静かに拾っていた。
- 塩原温泉発のとて焼は、ラッパ形の生地に店ごとの具材を巻く菓子。今回は甘い香りと通りの反射が、歩く気分を少し変えた。
- 竜化の滝へは国道沿いの駐車場から約0.7キロ、片道約20分。三段の水が岩間を落ち、白い光が森の緑を一瞬だけ強くした。
- 七ツ岩吊橋は箒川を渡る全長87メートルの橋。足元の流れが細く見え、橋の揺れと谷の明るさが同時に来るのが意外だった。
- 七ツ岩園地足湯は吊橋のたもとにあり、温泉をそのまま使う。熱さを確かめながら、夕方の川面だけが先に暗くなるのを見た。