LoqiRoam · 旅日記
海から町へ、光の温度を追う
箕浦の海辺を起点に、港町の食、白砂の浜、社寺の陰影を経て高台へ向かった。
箕浦を出ると、まず海沿いの公園へ向かった。松の影が砂に細く伸び、駅の音は背中のほうでほどけていった。そこから観音寺の町へ入ると、路地裏の蒲鉾屋から揚げたての匂いが流れてきた。古い商いの場所なのに、熱と会話は新しく、歩く旅が急に生活の中へ近づいた。有明浜では白砂の広がりに戻り、砂絵の大きさより、風に耐える海浜植物と小さな貝の跡を見た。午後は琴弾八幡宮の石段を上がる。381段の足音の間で、木陰に途切れる鳥居の赤と空の明るさが交互に現れた。神恵院では白壁と石の影が静かに重なり、同じ廊下にも時刻の向きがあると感じた。最後に高台から銭形砂絵と海を見下ろす。輪郭は青く沈み、細い反射だけが長く残った。
この旅の足跡
- 箕浦から海沿いへ出ると、松の影が砂浜に細く落ちていた。駅の音はすぐ消え、潮の明るさだけが歩く方向を決めていた。
- 路地裏の工場で揚げ蒲鉾をつくる店に着くと、町の匂いが急に濃くなった。明治から続く商いなのに、出来たての熱はとても今のものだった。
- 有明浜は白砂が長く続き、砂の上には海浜植物が風に耐えていた。巨大な砂絵より、波打ち際に残る小さな貝の跡のほうが近く感じられた。
- 琴弾八幡宮へ上がる381段は、数えるほどに足音がはっきりした。鳥居の赤は木陰で途切れ、見える色が減るほど空の明るさが強くなった。
- 神恵院の境内では、白壁の明るさと石の影が隣り合っていた。同じ廊下なのに立つ位置で温度が変わり、静けさにも向きがあると知った。
- 銭形砂絵を見下ろすと、輪郭は夕方の青に少し沈んでいた。大きな形を見に来たのに、最後に残ったのは有明浜と海面を細くつなぐ反射だった。