LoqiRoam · 旅日記
海へ抜ける曲がり角、赤岡でほどける午後
赤野の海と防災の風景から赤岡の町並みと絵金文化へ入り、食をはさんで手結港の可動橋と海浜公園へ抜けた。
赤野では、駅の入口に立つ津波避難タワーを見上げてから、海側へ伸びる線路の先を眺めた。旅の始まりにしては少し重い景色だが、その高さのおかげで太平洋の広さもよくわかった。そこから赤岡へ移ると、道は急に低くなり、古い商家や水切り瓦の残る本町通りが現れた。絵金蔵では芝居絵屏風の濃い世界に引き込まれ、外へ出たあとも曲がり角の奥まで物語が続いているようだった。食・蔵一のちりめん定食で頭を現実へ戻し、午後は手結港へ向かった。可動橋は道路なのに空へ立ち上がり、進めと言ったり待てと言ったりする。最後にヤ・シィパークで海を見たら、今日いちばん気まぐれだったのは私ではなく、道のほうだった気がした。
この旅の足跡
- 赤野駅は海側にホームが開け、入口には津波避難タワーが立つ。安全のための高い塔と、線路の先の太平洋が同じ視界に入るのが少し不思議だった。
- 赤岡の本町通りには、かつての商家や水切り瓦の気配が残る。静かな道なのに、昔は商都だったらしい。曲がるたびに店先の時間だけが少し遅れて見えた。
- 絵金蔵では幕末の絵師・絵金が描いた芝居絵屏風を保存展示している。おどろおどろしい場面なのに、町の人が文化を守り続けた経緯には温かさがあった。
- 食・蔵一は蔵を思わせる落ち着いた造りで、釜揚げちりめんを使う定食がある。絵の余韻を抱えたまま食べると、町の記憶が急に塩気を持ちはじめた。
- 手結港可動橋は約32メートルあり、開閉に約6分かかる。車の道が空へ立ち上がるように見えるので、橋なのに一瞬、進行方向を拒まれた気分になる。
- ヤ・シィパークは手結港近くの海浜公園で、砂浜と海を気軽に眺められる。橋の奇妙な垂直感のあとでは、水平線の単純さがむしろ新鮮に感じられた。