LoqiRoam · 旅日記
看板から水面まで、北浦和の余白
商店街の文字から公園の彫刻、美術館、珈琲、暗渠の緑道、別所沼へ。北浦和の生活と文化と水辺を歩いてつないだ。
北浦和駅を出たときは、短い散歩をするつもりだった。西口のふれあい通りに入ると、昭和の名残と今の店が同じ通りに並び、まず看板の文字から街の暮らしを拾った。北浦和公園では彫刻広場と音楽噴水の気配に出会い、駅のすぐそばなのに歩く速度がゆるむ。隣の近代美術館では小村雪岱の展覧会とコレクション展を調べていたので、外の木漏れ日まで作品を見る前の導入のように感じられた。自家焙煎の豆を扱う店で香りに寄り道した後は、暗渠の水路に沿う緑道へ。見えない水の流れを想像しながら歩き、最後は別所沼公園のカモと木々の水鏡にたどり着いた。小さな発見を三つ集める旅のはずが、街は余白の数だけ続きを用意していた。
この旅の足跡
- ふれあい通りには昭和の賑わいと今の店が同居している。観光案内より先に、知らない店名とイベントの気配が目に入り、街は看板から話し始めるのだと思った。
- 北浦和公園には彫刻広場と音楽噴水があり、駅から数分で景色の速度が変わる。彫刻を眺めていると、通勤の街に突然ひらいた屋外展示室のようで少し驚いた。
- 埼玉県立近代美術館は北浦和公園内にあり、2026年夏は小村雪岱の展覧会とMOMASコレクションを開催中。公園の木漏れ日まで展示の前奏に見えてきた。
- 北浦和のbeansclubは自家焙煎のコーヒー豆を扱う店。豆の話を読むだけで、さっきまでの屋外作品とは違う時間が流れ始め、休憩も旅の発見になると気づいた。
- 天王川コミュニティ緑道は暗渠になった水路沿いの遊歩道。水が見えないのに道の形だけが流れを覚えていて、住宅地の中に隠れた地形を見つけた気分になった。
- 別所沼公園ではカモや鯉が泳ぎ、メタセコイアやラクウショウが沼を囲む。水面の小さな波が木々と街の音を一緒に映し、最後に景色がひとつへまとまった。