LoqiRoam · 旅日記

水音の向きを変えながら

公園、歴史建築、地下水路、玉川上水、花の池、分水跡をつないで、見える音から記憶の音へ向かった。

鷹の台を出ると、まず中央公園の木立が駅前の輪郭をやわらげてくれた。銀杏並木の向こうには、走る人や遊具の気配があり、街は思っていたより身体的な音でできている。津田塾大学の古い本館を眺めたあと、ふれあい下水道館で地下二十五メートルの下水道管に入れると知り、旅の向きが少し変わった。きれいな水辺だけでなく、見えないところで暮らしを支える流れにも耳を澄ませたくなった。玉川上水では葉擦れと水の細い連続に沿って歩き、あじさい公園の池で季節の気配を休ませる。最後の恋ヶ窪用水路周辺緑地では、もう水は見えない。それでも分水跡をたどると、消えた音まで街の下に残っているようだった。

この旅の足跡

  1. 中央公園は津田町一丁目に広がり、銀杏並木と木製遊具がある。遠くの運動音が木立にほどけて、駅前から気持ちの向きが変わった。
  2. 津田塾大学小平キャンパスには、1931年竣工で東京都選定歴史的建造物の本館がある。学生の気配を想像しながら、古い壁に時間の音を探した。
  3. ふれあい下水道館では地下25メートルの実際の下水道管に入れる。無料施設なのに、見えない都市の流れを色やにおいで確かめられることに驚いた。
  4. 玉川上水下流は1653年に開削され、今は水辺の緑が散歩道になっている。葉擦れの向こうで水が途切れず続き、都市の中の時間の長さを感じた。
  5. あじさい公園は小平駅から徒歩5分で、園内に池がある。木陰の下では花だけでなく小さな水面の気配が残り、季節を少し先取りして耳で眺めた。
  6. 恋ヶ窪用水路周辺緑地は、玉川上水からの分水跡が残る市の重要史跡。水路跡には入れないが、失われた流れを想像する余白が静かに残っていた。
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