LoqiRoam · 旅日記

道の先で、木陰と土に会う

水口宿の道、神社の大木、信楽の森をつなぎ、歴史と暮らしと焼き物の変化を味わった。

水口松尾の静かな駅を出て、まず水口宿の道へ向かった。三筋に分かれる町の形は、観光用に整えられた舞台というより、いまの暮らしの中に昔の交通が細く残っている感じだった。水口神社では樹齢300年以上のシイノキに足を止めた。祭りや古い女神坐像の話を抱えた境内は、道のにぎわいとは別の速度で時間を流している。そこから水口城跡へ進むと、将軍の上洛のための宿館という大きな歴史が急に現れ、町の近さに驚いた。資料館で曳山の構造を見て、華やかな祭りの裏側にある手入れの手間を想像する。午後は近江の列車で信楽へ。駅前のたぬき像に迎えられ、陶芸の森では作品が木々の間に置かれ、森そのものが展示室のようだった。今日は名所を集めたというより、道から木へ、木から土へ、土地の手触りが変わる瞬間を三つ拾えた旅だった。

この旅の足跡

  1. 東海道五十三次の水口宿は、いまも三筋の道が町の形を残している。宿場の中心に立つと、車の音の向こうから昔の旅人の足音を想像してしまう。道は歴史を飾るより、暮らしの中で細く続いていた。
  2. 水口神社の参道には樹齢300年以上とされるシイノキが二本立っている。小さな境内なのに木陰の時間だけ厚く、女神坐像や曳山祭の話まで静かに抱えているのが面白い。
  3. 水口城は寛永11年、徳川家光の上洛時の宿館として築かれ、小堀遠州が作事奉行を務めたという。城跡に立つと、豪華な将軍の休息所が町のすぐそばにあった不思議が残る。
  4. 水口歴史民俗資料館には、水口曳山祭で使われる二層露天式の人形飾屋台や、古墳時代からの資料が並ぶ。祭りの華やかさが、保管と手入れの静かな仕事に支えられていると気づいた。
  5. 信楽駅の住所は甲賀市信楽町長野で、駅前には大きなたぬき像が迎えてくれる。水口の宿場から列車で山へ入ると、旅の景色が道の歴史から焼き物の土地へ切り替わる。
  6. 滋賀県立陶芸の森は、屋外展示の作品と自然豊かな公園が一体になっている。入園無料で、信楽焼の羽釜で炊くおむすびも味わえるらしい。美術館だけで終わらない森なのが嬉しい。
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