LoqiRoam · 旅日記
海風に任せて、渡らないところまで
西幡豆から塩の手仕事、海辺、神社、静かな浜、岩の気配を経て船着き場へ。渡らずに残した先が次の入口になった。
西幡豆を出たときは、まず海へ行けば十分だと思っていた。けれど最初に塩づくりの場所へ寄ると、海は景色ではなく、手を動かして暮らす場所として立ち上がった。吉良ワイキキビーチの明るい名前には笑ってしまったが、ヤシの木と三河湾の風を眺めるうち、その大胆さも土地の余白に似合ってきた。幡豆神社では道の音が急に遠のき、寺部海水浴場では静かな浜の方針に耳を澄ませた。さらに岩の気配を探して歩くと、残っていないものまで想像する旅になった。最後に船着き場へ着くと、佐久島へ渡る道が目の前に現れる。今日は乗らない。乗らない選択も、曲がり角を選ぶ旅の一部だ。
この旅の足跡
- 西尾市塩田体験館では、塩田で採った鹹水を煮詰めて塩をつくれる。海へ行く前に手仕事を知ると、風景の見え方まで少し変わりそうだ。
- 吉良ワイキキビーチはヤシの木が風になびく南国風の砂浜。名前は大胆なのに、三河湾の静かな空気には妙に馴染んでいて少し笑った。
- 幡豆神社の名を追って曲がると、海辺の道の音が木立の陰で薄くなる。由緒を全部覚えなくても、急に静かになる感覚は残った。
- 寺部海水浴場は波が静かで、夏季は監視所やシャワーも整う。にぎやかな浜を想像していたが、音楽を流さない方針にこの海の性格が出ている。
- 寺部の立岩を探す道では、砂浜と石積みの境目が景色の輪郭をつくる。大きな遺構より、海を見張る地形の気配に惹かれた。
- 佐久島行船のりばは島へ渡る実用的な入口なのに、船を待つだけで旅の続きを想像してしまう。今日は乗らず、先の景色を余白にした。