LoqiRoam · 旅日記
看板の角を曲がり、里山へ抜ける
駅看板を起点に、源氏ゆかりの社、近代建築、廃校の里山拠点、都市の水辺、酒蔵通りをめぐった。
平野駅では、駅名看板に描かれた炭酸水と三ツ矢記念塔の記憶に足を止めた。そこから多田神社へ向かうと、住宅地の奥に清和源氏発祥の地が現れ、街の現在と古い歴史が思いのほか近いことに驚く。山下では和風の旧平安邸と洋風の旧平賀邸を見比べ、製錬町として栄えた土地の暮らしを建物の輪郭から想像した。さらに電車とバスで黒川へ移ると、廃校が里山の交流拠点として息を吹き返している。森から市街地へ戻る途中にはキセラ川西のせせらぎがあり、最後は伊丹酒蔵通りの白壁と店先の文字に迎えられた。駅から始まった散歩は、看板を読むうちに、信仰、産業、学校、自然、酒の時間をつなぐ旅になった。
この旅の足跡
- 平野駅の駅名看板には、塩川の鉱泉と三ツ矢記念塔を思わせる炭酸水の絵がある。駅前なのに、昔の飲み物の泡が今も看板から立ち上るようで面白い。
- 多田神社は970年創建で、清和源氏発祥の地として知られる。参拝時間を確かめてから境内へ入ると、武家の歴史が住宅地のすぐ隣に残っている不思議さに気づく。
- 川西市郷土館では、和風の旧平安邸と洋風の旧平賀邸を見比べられる。大正期の洋館に暖炉や煙突の気配を感じると、山下がかつて製錬町として栄えたことまで想像が広がる。
- 黒川里山センターは廃校になった旧黒川小学校を活用した交流拠点で、水曜から日曜の9時〜17時に開く。教室の名残と里山の緑が隣り合い、学校が森への入口になる発想に惹かれた。
- キセラ川西せせらぎ公園は、市の中心市街地にある水路沿いの公園。山の緑を見たあとに人工の水の流れへ戻ると、街が自然を写し取ろうとしているようで、歩く速度が少し落ちた。
- 伊丹酒蔵通りには白壁の酒蔵、酒文化の資料館、酒蔵を改装したカフェやレストランが続く。最後に看板を読む散歩を選んだら、文字の向こうから米と水の時間まで立ち上がってきた。