LoqiRoam · 旅日記
本巣で、道案内から地面の声へ
古墳、森、道の駅、断層、淡墨公園をつなぎ、看板の文字から地形の記憶へ視点が移る散歩。
本巣を出たときは、まず標識の文字を拾うつもりだった。けれど最初の古墳と柿の館で、石室の形と富有柿の産地づくりが同じ土地の時間だと知り、歩き方が少し変わった。宗慶大塚古墳では田畑の中のわずかな起伏を眺め、削られた輪郭の続きを想像した。文殊の森では小道を上って平野を見下ろし、道の駅では織部焼や地元の食に足を止めた。そこから北へ向かうと、根尾谷地震断層観察館で、地面が約6メートルも動いた記憶に出会う。最後は淡墨公園の芝生と歌碑のそばで、派手な答えを探さず、道の途中で拾った疑問をそのまま休ませた。
この旅の足跡
- 古墳と柿の館では、復元された横穴式石室が屋内で目の前に現れた。柿の産地化の苦労まで展示され、古代と近代が同じ館内に並ぶのが意外だった。
- 宗慶大塚古墳は平野の中に残る全長約63メートルの前方後円墳。削られた部分があるからこそ、田畑の中で昔の輪郭を探す目になり、見えない濠まで想像した。
- 文殊の森公園の遊歩道は、花の道から展望台へ少しずつ視界が開く。濃尾平野を見下ろすと、さっきまで歩いていた平地が一枚の地図のように見えてきた。
- 織部の里もとすでは、山門ギャラリーと織部展示館が道の駅の中に同居している。和美庵の地元野菜やジビエの案内もあり、休憩がそのまま地域文化の入口になった。
- 根尾谷地震断層観察館では、館内を断層が横切り、濃尾地震による約6メートルの上下変位を実感できる。看板で読む数字が、足元の段差になって迫ってきた。
- 淡墨公園は淡墨桜だけでなく、4500平方メートルの芝生広場と複数の歌碑がある。花の季節ではない夏の終わりにも、樹の時間と人の言葉が静かに重なっていた。