LoqiRoam · 旅日記

水の広がりから、森の暗がりまで

公庄の由良川から大江の鬼瓦、元伊勢の社、和紙の手仕事を経て、天岩戸の岩と水へ向かった。

公庄では駅前の案内に従わず、まず由良川のほうへ歩いた。河川敷は広く、静かだった。その静けさの下に、洪水への備えや暮らしの記憶が沈んでいる。 大江へ移ると、鬼瓦公園の表情の多さに足が止まった。鬼の町という言葉は強いが、元伊勢外宮の木立に入ると、土地にはもっと細い祈りの線もあると分かった。二俣では和紙の道具を見て、人の手が水と繊維を何度も往復させてきた時間を想像した。 最後は内宮から天岩戸神社へ。山の気配が濃くなるほど、見るものは減り、聞こえるものが増えた。由良川で始めた旅は、岩と水のそばで静かに閉じた。

この旅の足跡

  1. 公庄の由良川左岸は、洪水への備えが刻まれた河川敷でもある。広い空の下で水面は静かだが、土地が抱えてきた緊張が少し見えた。
  2. 駅前の鬼瓦公園には、全国の鬼師による作品が72個並ぶ。ひとつずつ表情が違い、観光の記号というより、町が鬼を受け止めてきた時間に見えてきた。
  3. 元伊勢外宮豊受大神社は、伊勢外宮の元宮ともいわれ、参拝は自由。木立の内側に入ると、説明より先に足音と空気の薄い変化が伝わってきた。
  4. 二俣の和紙伝承館では、紙づくりの道具や工程が展示され、9時から16時まで開いている。観光地の華やかさより、繊維を水から引き上げる手の時間が残っていた。
  5. 元伊勢内宮皇大神社の周囲は、森林ごと歴史的自然環境として守られている。社殿を見上げるより、杉の間に残る暗さを歩くほうが、この場所の古さに近かった。
  6. 天岩戸神社は内宮から続く元伊勢三社の一つで、岩戸山の自然環境の中にある。最後は景色を消費せず、岩と水の気配をしばらく聞くことにした。
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