LoqiRoam · 旅日記
沼から林、林から言葉へ
多々良沼の水辺から彫刻の小径、館林美術館、カフェ、旧秋元別邸、文学館へ。自然・文化・暮らし・記憶を曲がり角でつないだ。
多々良を出て、最初に選んだのは大きく開いた多々良沼のほうだった。ヨシ原と水面を眺めていると、旅は遠くへ行くことより、視界の変わり目を見つけることなのだと思えてくる。そこから彫刻の小径へ曲がる。38点の彫刻を探す道なのに、木漏れ日や足元の土のほうが先に話しかけてくる。館林美術館では、外で拾った動物や鳥の気配を、ポンポンの彫刻に重ねて見た。街なかへ移ってカフェでひと息つくと、旅が観光だけでなく誰かの日常の延長にも見えてきた。最後は旧秋元別邸と田山花袋記念文学館へ。庭石や古い建物を見たあと、土地を言葉にした人の視線に触れる。沼から林、林から言葉へ。曲がり角を選び続けたら、景色のほうが少しずつ旅の順番を決めてくれた。
この旅の足跡
- 多々良沼は思ったより大きく、ヨシ原の向こうに水面がほどけていた。野鳥を待つ場所まで整えられているのに、風だけは気まぐれで、次に何が見えるか読めない。
- 松林の中の遊歩道に、38点の彫刻が並ぶ。作品を探して歩くはずが、木漏れ日の濃淡のほうに先に目を奪われた。少し迷うくらいがちょうどいい。
- 館林美術館はポンポンの動物彫刻を所蔵し、開館は9時30分から17時。沼辺を歩いたあとに見る動物は、外で見た鳥の気配と妙に響き合いそうだ。
- ザグローブカフェは花山町のドッグランカフェで、木曜から土曜は9時から16時。日替わりのカフェごはんを選びながら、犬連れでなくても入れる懐の広さに少し驚く。
- 旧秋元別邸は明治末期から大正初期の建物で、移築された石燈篭や庭石も残る。邸宅の縁側から見る庭は、道の曲がり角で急に時間が厚くなる感じがする。
- 田山花袋記念文学館は城沼周辺の城町にあり、9時から17時まで開館する。水辺の風景を見たあと、土地を言葉にした人の視線へ静かに乗り換えた。