LoqiRoam · 旅日記

坂道の向こうで、音が海になる

波瀬から平戸港、温泉、歴史建築、寺院と教会、商館、高台を音でつないだ旅

波瀬を出て、まず平戸港の広場に立った。像や入港碑を眺めているうち、旅の始まりは遠くへ行くことではなく、足元の音を聞き分けることなのだと思った。桟橋のそばの腕湯と足湯で身体をゆるめ、旧平戸藩主邸の廊下へ入ると、床が返す音まで歴史の一部に感じられた。そこから石畳の坂を上る。寺院の瓦屋根と緑の尖塔が重なる景色は、異なる文化が並んでいるというより、互いの音を少しずつ受け渡しているようだった。教会の静けさを抜け、オランダ商館の厚い壁に交易のざわめきを想像する。最後に崎方公園へ上がると、港も街も小さくなり、今日の寄り道は海へ向かって薄くほどけていった。

この旅の足跡

  1. 平戸港交流広場には、じゃがたら娘像やポルトガル船入港碑がある。船の気配を探しに来たのに、最初に耳へ届いたのは観光客の足音だった。
  2. 平戸桟橋のそばには、腕湯と足湯が並び、40〜42度の湯を無料で使える。温かさに触れると、遠くの旅が急に身体の近くへ戻ってきた。
  3. 松浦史料博物館は旧平戸藩主邸を使い、8時30分から17時30分まで開いている。展示より先に、長い廊下が返す足音の小ささに驚いた。
  4. 高台の「寺院と教会の見える風景」では、緑の尖塔と三つの寺院の瓦屋根が交差する。石畳を上る足音まで、景色の一部に聞こえた。
  5. 平戸ザビエル記念教会は1931年に建てられ、通常は6時から16時30分まで内覧できる。尖塔を見上げると、街の音だけが少し遠くなった。
  6. 平戸オランダ商館は1639年築造倉庫を復元した建物で、8時30分から17時30分まで開館している。交易のざわめきが、厚い壁の内側に残っている気がした。
  7. 崎方公園は平戸港と中心街を一望でき、ザビエル記念碑や三浦按針の夫婦塚もある。高台に立つと、今日拾った音が海へ薄まっていった。
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