LoqiRoam · 旅日記
道を決めない午後、会津坂下
神社と酒蔵から馬肉料理、乳製品、道の駅へと曲がりながら、会津坂下の文化と農の広がりをたどった。
会津坂下では、駅を出てから最短距離を選ばなかった。栗村稲荷神社の静けさに入り、町の道が信仰や祭りの記憶を抱えていることを感じたあと、豊国酒造の蔵がある市中へ折れた。酒蔵は予約なしに勝手に見学できる場所ではないけれど、町の普通の景色の中に醸造の仕事があるだけで、通りの空気が少し変わる。そこから堀商店へ向かうと、馬刺しと辛みその食文化が歴史の説明より近い距離で現れた。濃い昼食のあと、会津のべこの乳アイス牧場でソフトクリームに寄り道し、旅の舌をいったん子どもに戻す。最後は公共交通で道の駅あいづ湯川・会津坂下へ移り、農産物と盆地の広がりを眺めた。名所を直線で集める旅ではなく、神社、蔵、食、乳、農へと曲がりながら、町の輪郭を少しずつ別の角度から拾った午後だった。
この旅の足跡
- 栗村稲荷神社は会津坂下駅から約800メートル、中岩田に鎮座する。町なかの曲がり角で突然静けさが深くなり、祭りの日はここから道が動き出すのかと想像した。
- 豊国酒造は市中一番甲で蔵見学を予約制で受け付けている。町の中に酒造りの現場が普通の建物のように息づいていて、角を曲がるだけで香りが変わりそうだった。
- 堀商店は会津坂下駅から徒歩約15分の馬肉料理店で、店頭の大きな馬さし看板が目印。赤身の馬刺しに辛みそを合わせる土地の食べ方に、道より先に胃袋が曲がった。
- 会津のべこの乳アイス牧場は金上辰巳の工場直売所で、会津産生乳のソフトやヨーグルトを扱う。町中から少し離れた国道沿いで、牛乳の旅が急に甘くなった。
- 道の駅あいづ湯川・会津坂下は湯川村と会津坂下町が共同整備した道の駅で、農産物直売とフードコートがある。町を出たのに、売り場の野菜から土地の続きが見えた。
- 道の駅の周辺では会津盆地の平らな広がりと川の気配が近く、建物の密度が町中とは違う。最後にここへ来ると、さっきまでの路地が小さな水路のように思えてきた。