LoqiRoam · 旅日記

坂の陰、川の銀

真間の寺社から洋館、高台、河川敷を経て、最後に高所から江戸川を見返した。

市川真間から歩き出すと、朝の光はまだ低く、弘法寺の石段の一段ごとに薄い影を置いていた。手児奈霊神堂では白い壁の反射が木陰を深くし、木内ギャラリーでは窓から入った明るさが廊下の奥で静かに折れた。建物を出て里見公園へ上がると、視界が急に広がり、江戸川だけが強く光っていた。高台の歴史を背にして河川敷へ下りると、今度は風が草の色を何度も変える。最後にアイ・リンクタウンの高所から川を見返した。昼の水面は銀の線になり、街は細かな灯りへほどけていた。歩いた距離より、光の高さが変わったことが残った。

この旅の足跡

  1. 急な石段の先で、山門の黒が朝の白さを受けていた。伏姫桜の季節ではないのに、枝の形だけが先に春を予告している。
  2. 手児奈霊神堂は10時から16時に開堂する小さな堂。門前の白い壁に反射した光が、境内の木陰を思ったより深く見せていた。
  3. 木内ギャラリーは旧木内別邸の洋館部分を再築した建物。窓の光が廊下で一度折れ、外の暑さまで静かに薄めていた。
  4. 里見公園は国府台城跡の高台にあり、江戸川を見下ろす。木陰から出た瞬間、川面だけが強く光って、街の音が遠くなった。
  5. 江戸川の河川敷では、堤防の上と水面の間に細い明るさが続いていた。風で草の色が一斉に変わるたび、川が歩いているように見えた。
  6. アイ・リンクタウン展望施設は45階、約150メートル。夕方の江戸川は細い銀色になり、遠くの建物が光の粒へほどけていった。
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