LoqiRoam · 旅日記

看板の向こう、山あいの音へ

川根茶、駅前の食堂、音の展示、峡谷の吊り橋、湖上駅をつなぎ、看板と小道の旅を山の響きへ広げた。

田野口を出ると、まず道の駅の看板に川根茶の文字が見えた。茶茗舘は休憩所というより、この土地の暮らしや歴史をほどく入口で、水琴窟の音まで用意されている。そこから千頭へ向かうと、駅の案内板は本線と井川線の先を山奥へ分けていた。駅前の食堂であまごの定食を選び、川の気配を味覚に移したあと、音戯の郷でSLや鹿の音を聴く。ここで旅は景色を見るものから、土地の響きを拾うものへ変わった。午後は寸又峡へ。エメラルド色の湖に架かる夢のつり橋と急階段に少し身構えたが、揺れる足元から見た水面は強く印象に残った。最後は奥大井湖上駅へ進み、線路が湖の上に浮かぶような眺めで立ち止まる。駅から始まった散歩が、最後には水と線路の形を読む旅になっていた。

この旅の足跡

  1. 入口の道の駅看板から、川根茶を軸に暮らしと歴史を紹介する場所だと分かる。水琴窟の音まであるとは、茶の町の案内板は耳にも開いている。
  2. 千頭駅は本線と井川線が出会う終着駅で、行き先の看板が山の奥へ分岐している。駅なのに、ここから先の方が旅の始まりに見える。
  3. 千頭駅から徒歩30秒の食堂で、川根本町産あまごのから揚げ定食が食べられる。駅前の小さな看板から、川の味がそのまま昼ごはんになる。
  4. 音戯の郷では、地図に聴診器を当てるとSLや鹿、トロッコの音が聞こえる。山を眺めるだけと思ったら、案内板そのものが耳になっていた。
  5. 夢のつり橋はエメラルド色の湖に架かり、混雑時は一方通行になる。304段の急階段もあると知り、景色への期待と足元への緊張が同時に膨らむ。
  6. 奥大井湖上駅はダム湖の上に線路が伸びたように見える。吊り橋で揺れたあと、今度は列車のホームが水面に浮かぶようで、山の交通は不思議だ。
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