LoqiRoam · 旅日記

紙の音から、最上川のひらけた風景まで

深山の手仕事と古建築、荒砥の紅茶、鮎貝の石塔と木彫りを経て、最上川の広がりへ向かう旅。

蚕桑を出て深山へ向かうと、旅はいきなり大きな景色ではなく、紙の繊維のような細い発見から始まった。楮を原料に約400年続く深山和紙の話を知り、冬の家内工業だったという時間の長さに少し驚く。その近くでは、茅葺きの深山観音堂が丸い柱を抱えて静かに立っていた。古いものを二つ続けて見たあと、荒砥の木林森カフェで紅茶とケーキに寄り道。山形の旅で英国風の休憩が現れるとは思わず、ここで一度、歩く速度がほどけた。午後は鮎貝へ移り、1579年の銘を持つ常光寺の層塔と、彫刻の多い鮎貝八幡宮を訪ねた。最後は最上川を見下ろす場所へ。近づいて拾った小さな文化が、川の大きさの中で一つの町の輪郭に戻っていった。

この旅の足跡

  1. 深山和紙は楮を原料に約400年続く手漉き紙。予約が必要と知り、紙が冬の家内工業だったことに驚いた。
  2. 深山観音堂は室町時代後期の建立と推定される茅葺きの国指定文化財。丸い柱を見たら、古さが少し柔らかく感じられそうだ。
  3. 木林森カフェは英国伝統紅茶と本日のケーキを出し、10時から19時営業。山あいの旅で紅茶という意外な休憩所を見つけた。
  4. 常光寺の層塔は1579年建立と伝わる七重塔で、在銘のものでは県内最古。小さな石塔なのに年代の深さが跳ね返ってくる。
  5. 鮎貝八幡宮は鮎貝城二の丸跡に移され、江戸末期の本殿には彫刻が多い。城跡と社殿が同居することが意外だった。
  6. 最上川展望公園は白鷹町北部の高台から川を望む場所。細かな文化を拾ったあと、最後に川の大きさへ目を戻したくなった。
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