LoqiRoam · 旅日記

川音から島影まで

川辺の木々から文化施設と港の歴史をたどり、手作りの味を挟んで九十九島の風へ抜けた。

皆瀬を出て、最初に拾ったのは佐世保川の気配だった。大きなクスノキの下では、街の音が葉の間でほどけていく。そこから美術センターへ入り、外のざわめきが展示室の静けさに置き換わった。けれど旅は静かなままでは終わらない。凱旋記念館とセイルタワーで、港を守り、港から出ていった人々の時間に触れると、建物の奥から遠い汽笛が返ってくるようだった。少し重くなった気持ちは、万徳町の焼けたパンの匂いに救われた。最後は九十九島観光公園へ。芝生の丘から島々を眺めると、ここまで聞いてきた川音、足音、会話、展示の沈黙が、風の中でひとつの余韻になった。

この旅の足跡

  1. 佐世保川に沿う芝生と樹齢100年超のクスノキ。歩道橋を渡った瞬間、街のざわめきが葉擦れに変わり、足音まで少し遠くなった。
  2. 島瀬町の美術センターは10時から18時まで開いている。展示室へ入ると、外の車音が薄まり、絵を見る時間そのものが小さな静寂になった。
  3. 平瀬町の凱旋記念館は登録有形文化財で、9時から22時まで公開される。装飾的な外観の前では、古い催事の拍手を想像してしまう。
  4. 上町のセイルタワーには旧海軍と海上自衛隊の史料が並び、9時30分から17時まで見学できる。模型の静けさが、海の大きさを逆に感じさせた。
  5. 万徳町のミサロッソは手作りバーガーの店で、30種類のバーガーやピザ、ホットドッグも扱う。焼けたパンの匂いに、旅が急に生活へ戻った。
  6. 九十九島観光公園の眺望の丘は約4.7ヘクタールの芝生が広がり、島々を大パノラマで見渡せる。最後は風の音だけが地図を遠くした。
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