LoqiRoam · 旅日記
川音から星明かりへ
九頭竜川の水辺から道の駅、大野の寺町と城、高原の星空へ、景色の温度を変えながら進む旅。
小舟渡では、駅を目的地にせず、九頭竜川の音を旅の出発合図にした。川幅と山の重なりを眺めていると、今日は有名な場所を急いで集めるより、景色の温度が変わる順番を歩きたいと思えてくる。途中の道の駅では恐竜の土地らしい食べものに出会い、白山と川を眺めながら一度ひと息ついた。そこから大野へ移ると、十六か寺の並ぶ寺町通りが、賑わいのない時間にも土地の記憶を守っていた。坂を上って越前大野城へ向かえば、今度は町が小さくほどけていく。最後は六呂師高原へ。湿原や池の気配をたどり、夜なら望遠鏡の先に星を探せる場所で、川から始まった旅を空へ返した。残った発見は、流れ、町の静けさ、そして見上げる理由の三つだった。
この旅の足跡
- 小舟渡駅のホームから少し離れると、九頭竜川の流れが旅の向きを決めてくれる。山の中なのに水面の先が大きく、最初の一歩から景色に余白があった。
- 九頭竜川はただの通過風景ではなかった。小舟渡付近では川幅と山並みが同時に視界へ入り、流れを眺めていると、地図より先に道の向きが分かる気がした。
- 道の駅「恐竜渓谷かつやま」は、恐竜の土地らしい名前なのに、白山や九頭竜川を眺めながら休める場所でもある。厚切りソースカツのバーガーで景色が急に現実味を帯びた。
- 大野の寺町通りには十六か寺が並び、碁盤目の城下町の東端で空気がすっと静かになる。寺を一つずつ巡らなくても、通り全体が暮らしの記憶を抱えているようだった。
- 越前大野城は亀山の上にあり、城下町から坂を上るほど屋根の並びが小さくなる。大きな絶景を期待していなかったぶん、町が地図のようにほどけていく瞬間に驚いた。
- 六呂師高原には湿原、池、清流、草原、森林がまとまり、昼の散策だけでも観察の題材が多い。夜には天文台の望遠鏡まで登場するのだから、終着点として少し出来すぎている。