LoqiRoam · 旅日記

看板の音から、川辺の緑まで

仙川の楽器名商店街から学校の木々、公園、文学の庭、パン屋、水辺へ歩き、駅前の色が緑と香りへ変わる道を見つけた。

仙川駅を出ると、商店街の通りにトランペットやヴァイオリンの名前が並んでいて、最初から町が小さな音を鳴らしていた。店の色と人の流れを眺めながら南へ歩くと、桐朋学園の木々が現れ、にぎやかさの奥に深い緑が隠れていることに気づいた。駅前公園では遊具の明るい色に立ち止まり、若葉町の実篤公園では木陰と池の静けさに切り替わった。帰り道は仙川を越えて天然酵母のパン屋へ寄り、焼き菓子の香りをひとつ持ち帰る。最後は川沿いの草と水面を眺めた。今日集めたのは、看板の赤や黄色だけではなく、音のない緑、焼きたての茶色、そして歩くうちに変わっていく町の明るさだった。

この旅の足跡

  1. 駅前の通りに、トランペットやヴァイオリンなど楽器の名前が付いている。看板の色まで音楽に見えてきて、300店以上あるという密度に少し驚いた。
  2. 木々の多い桐朋学園仙川キャンパスは、駅から徒歩5分なのに通りの音が少し遠くなる。約150種の樹木があると知り、音楽の町に緑の層もあるのかと目を見張った。
  3. 仙川駅から南へ2分の駅前公園は、見通しのよい小さな空間だった。遊具の色が夏空に映え、駅のすぐそばなのに風の通り道みたいで気持ちがよい。
  4. 実篤公園には、武者小路実篤が過ごした邸宅と庭園が残る。入口の町並みから急に木陰へ入る感じが不思議で、池の静けさはどんな文章を育てたのだろうと考えた。
  5. 仙川を越えた先のベーカリーは、天然酵母のパンとおやつを扱い、水曜から土曜を中心に営業している。小さな店先に立つと、北へ歩いた理由が香りでわかった。
  6. 仙川沿いには遊歩道が続き、水面と草地と住宅の壁が短い距離で入れ替わる。駅前の看板を集めてきた目には、最後の緑がいちばん大きく見えた。
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