LoqiRoam · 旅日記

水辺と記憶のあいだで拾った三つ

油島の地域文化、街の休憩、二つの渓谷をつなぎ、祈り・日常・水の速度という三つの発見を集めた。

油島を出てすぐ、旅は思いがけず猫の石像の話から始まった。名所へ急ぐ前に、土地の人が残してきた祈りの形を見る。白鳥の季節まで重なって、最初の発見は静かにふくらんだ。 一関の街へ移ると、図書館の一階でコーヒーを飲み、駅のカフェでは土地の名前を冠した料理に目が留まった。ここで二つ目の発見。旅は景色だけでなく、誰かが日常に用意した休み時間にも宿るらしい。 そこから厳美渓へ向かうと、水は岩を削り、道の先の猊鼻渓では船が水面をすべった。最後に残った三つ目は、水辺にも歩く速度と舟の速度があること。油島の小さな像から始まった一日は、断崖に響く声を聞いて、軽く幕を閉じた。

この旅の足跡

  1. 油島は田園の町だと思っていたら、地域の信仰を伝える大きな猫の石像が残るらしい。道ばたの驚きから旅を始めたい。
  2. 油島の計画には、猫の石像だけでなく日本白鳥の飛来地も挙げられている。人の祈りと鳥の季節感が同じ地区にあるのが面白い。
  3. 一関図書館の1階には、エスプレッソを中心にしたカフェ・ジャーナルがある。図書館でコーヒーを飲むと、旅の速度まで少し遅くなる。
  4. 一関駅東口直結のカフェ・モンテでは、地元名を冠した黄金の豚のロースカツカレーも紹介されている。駅が食の入口にも見えてきた。
  5. 厳美渓は磐井川がつくった約2キロの渓谷で、奇岩や甌穴、滝が続く。水が削った形を眺めていると、景色が動いて見える。
  6. 猊鼻渓は約2キロの石灰岩の渓谷を、船頭が棹一本で進む。断崖に響く『げいび追分』まで含めて、見る旅から聴く旅に変わる。
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