LoqiRoam · 旅日記
まっすぐでは見えない瀬戸
瀬戸蔵の産業史から商店街、ノベルティ、窯垣の小径、民藝、丘の景色へ。曲がり角を選びながら、瀬戸を暮らしの厚みとして歩いた。
瀬戸市の出発点から中心部へ向かい、最初は瀬戸焼の歴史を大きくつかもうとした。瀬戸蔵ミュージアムで昔の駅や電車、石炭窯を見たあと、旅は予定どおりには進まなかった。銀座通りの店先に引かれて角を曲がり、そこからノベルティの華やかな置物へ寄り道した。食器の街だと思っていた目に、輸出向けの人形や装飾品は少し意外だった。東洞町では、古い窯道具を積んだ窯垣が塀になって続いていた。壁を見ているのに、焼く、運ぶ、暮らすという動作が透けてくる。瀬戸民藝館で器と登窯の時間を受け止め、最後は陶祖公園の方へ上った。街を見下ろすと、今日選んだ曲がり角は遠回りではなく、瀬戸を細かく知るための順路だったのだと思えた。
この旅の足跡
- 瀬戸蔵ミュージアムには、昔の尾張瀬戸駅や緑色のせとでん、石炭窯まで再現されている。歴史を読む前に、町の中へ入ってしまった感じがした。
- 銀座通り商店街は120年の歴史があり、アーケードには約40軒の店が並ぶ。大きな通りより、店先の小さな角のほうが瀬戸を話している気がした。
- ノベルティ・こども創造館では、瀬戸の置物や装飾品が展示され、土の創作体験もできる。海外向けだった華やかな人形が、急に身近に見えた。
- 窯垣の小径は約400メートル。古い窯道具を積んだ塀が続き、壁なのに道具の履歴書のようだ。曲がるたび、焼く前の街が見えてくる。
- 瀬戸民藝館は東洞町にあり、登窯の維持修繕にも入館料が使われる。作品を見るつもりが、建物の外に続く窯の時間まで見てしまった。
- 陶祖公園の方向へ上ると、細い洞町の道が少しずつほどけていく。最後に街を見下ろせる場所を選ぶと、路地の迷いまで景色の一部になった。