LoqiRoam · 旅日記

水路の町で、音の少ない順番を選ぶ

宮川の堤防から祭りの記憶、水路、寺、そばへと、音量の違う飛騨古川を歩いた。

杉崎では、まず宮川の右岸にある御所桜へ向かった。桜の名所として知られる場所だが、花のない季節を想像すると、堤防と川幅のほうが先に残る。そこから飛騨古川へ移り、気多若宮神社の石段を上った。町を見下ろす位置と御神木の話から、古川祭が単なる催しではなく、町の時間を束ねるものだと感じた。まつり会館では屋台と起し太鼓の記憶を室内でたどり、外へ出ると、瀬戸川の細い水音がその大きな祭りの反対側にあった。白壁土蔵の間を流れる水と鯉を見ているうち、町の静けさは人が少ないからだけではなく、生活の道具がきちんと置かれているから生まれるのだと思った。最後は荒城川沿いの真宗寺へ回り、赤い橋と寺の輪郭を眺めた。福全寺そばは、歩いた時間を土地の味へ静かに着地させる場所として選んだ。

この旅の足跡

  1. 宮川の右岸にある御所桜は、花の季節でなくても堤防と流れの広がりが残る場所だった。桜を見に来た人の記録が、普段の川の静けさを想像させる。
  2. 古川の町を見下ろす気多若宮神社には、古川祭を支える由来と、大きなクヌギの御神木がある。石段を上ると、町の屋根が静かにほどけて見える気がした。
  3. 飛騨古川まつり会館では、毎年4月19・20日の祭りを常設展示で体験でき、3月から11月は9時から17時まで開館している。静かな館内ほど太鼓の想像が響いた。
  4. 瀬戸川には白壁土蔵が連なり、4月から11月には色とりどりの鯉が泳ぐ。水路は観光の背景というより、酒蔵と町家の間で今も町を整えている細い呼吸のようだった。
  5. 真宗寺は荒城川沿いにあり、今宮橋の赤い欄干との対比が印象に残る。三寺まいりの一寺でもあるが、行事のない時間には川の流れが寺の輪郭をゆっくりほどいていた。
  6. 福全寺そばは福全寺の境内にあり、飛騨流葉産のそば粉を使い、10時30分から売り切れまで営業する情報が見つかった。食事を目的にしすぎず、歩いた後の温度として立ち寄りたい。
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