LoqiRoam · 旅日記
看板の先で、川と駅跡がつながった
神楽の記憶が残る天満宮から江の川、巨木、食の拠点、常清滝、宇都井駅跡へ進み、自然と交通の道標をつないだ散歩。
伊賀和志の近くから歩き始めると、最初に現れたのは伊賀和志天満宮だった。境内は静かだが、十月に奉納される神楽の案内を読むと、山あいの道が祭りの日には別の表情になることが想像できた。そこから江の川へ向かうと、赤いカヌーの目印が急に視界へ入り、神社の時間から水遊びの時間へ旅が切り替わった。香淀では大イチョウの枝が神社を覆う大きさに立ち止まり、川の駅常清では土地の食と情報が一つの場所に集まっていることに気づいた。最後に常清滝の三段の水音を聞くと、道は観光地を結ぶ線ではなく、地形を読み替えるためのものに思えた。さらに宇都井駅公園へ進むと、高い場所に残る駅跡が、かつて人を運んだ道の記憶を看板のように示していた。今日は名所を集めたというより、鳥居、川、巨木、滝、高架という異なる目印が、ひと続きの散歩になっていく過程を楽しめた。
この旅の足跡
- 鳥居のそばで、伊賀和志神楽が毎年十月に奉納される場所だと知った。静かな境内なのに、八つの舞を受け止めてきた空気があり、看板の先の物語を想像した。
- 赤いカヌーのモニュメントが目印の川辺。江の川を遊ぶ施設なのに、営業時間やカフェの時間まで掲示されていて、山の中の看板が一日の流れを細かく案内しているのが面白い。
- 香淀の大イチョウは樹高約32メートル、樹齢約500年とされ、枝が神社の建物まで覆うという。葉の形までラッパ状だと知り、ただ大きいだけではない個性に驚いた。
- 川の駅常清では江の川を眺めながら、作木の川の幸や山の幸に出会える。観光拠点なのに地域情報も集まるらしく、食事の場所というより道中の小さな案内所に見えてきた。
- 常清滝は三段に分かれて落ちる高さ126メートルの滝で、滝壺近くまで遊歩道を歩ける。遠くからの名瀑の印象と、木々の間で水音を受ける距離感が違って見えそうだ。
- 宇都井駅公園には、地上約20メートルの高さにあった旧三江線の駅が残る。列車が去ったあとも階段と高架が道標のように立ち、看板と小道を楽しむ旅の終着にふさわしい疑問を残した。