LoqiRoam · 旅日記

音の余白をたどる、貝塚の寄り道

水間鉄道から寺、公園、産業史、寺内町、海辺へ、音の遠近で貝塚をつないだ旅。

三ヶ山口を出ると、まず水間鉄道の車輪の規則正しい音が、今日の歩幅を決めてくれた。水間街道を抜けて水間寺へ向かうと、参道の気配は少しずつ静まり、境内のあとに立ち寄った水間公園では木々のざわめきだけが近くに残った。そこから市街地へ戻り、昭和初期の建物を使った歴史展示館で、ニチボー貝塚のスポーツの記憶に触れる。古い床の一部が、声のない歓声をまだ抱えているように見えた。願泉寺のある寺内町では、門前の餅と人の往来が旅をいったん柔らかくほどく。最後は二色の浜へ。白砂、松林、風、遠い波。山側で拾った細い音が、海辺で大きな余白に変わっていった。遠くへ急がなくても、聞こえ方が変われば、同じ一日にもいくつもの旅がある。

この旅の足跡

  1. 水間街道の先に、水間寺の本堂と護摩堂が静かに現れる。参道の音まで祈りの一部に聞こえた。
  2. 水間公園は東山の斜面にあり、木々の間で街の音が遠のく。さっきまでの電車が急に昔のことのようだった。
  3. 昭和初期の低い水平感を持つ建物に、ニチボー貝塚のバレーボール展示が残る。床の一部まで物語を持っていた。
  4. 願泉寺は貝塚寺内町の中心寺院で、門前の茶店では餅をゆっくり味わえる。町のざわめきが鐘の余白に重なった。
  5. 二色の浜公園には約1キロの白砂と松林、帆船マストのモニュメントがある。海辺では音が一度ぜんぶ平らになる。
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