LoqiRoam · 旅日記
音の余白をたどる、のいちから香南の午後
駅の暮らしから文化施設、車の記憶、動物の緑、創作の場、温泉へ進み、音の変化で香南をたどった。
のいち駅を出たとき、行き先はまだ決めなかった。駅の観光協会で山北みかんやちりめんじゃこの案内を眺め、列車の音のそばにある暮らしから歩き始める。のいちふれあいセンターでは、音楽室や陶芸室を持つ建物の内側へ入り、街のざわめきが薄い膜越しになる感覚を味わった。続いて四国自動車博物館へ。眠っているレースカーを前にすると、音のない展示なのに、車体の曲線から走行音が立ち上がってくる。緑の中の動物公園では、期待した大きな鳴き声より先に草や鳥の細い気配を拾い、そこから芸術・文化・技術が混ざるアクトランドへ向かった。最後は黒潮温泉で歩いた身体を休ませる。旅の終わりに残ったのは、集めた場所の数ではなく、音量が少しずつ下がっていく道筋だった。
この旅の足跡
- 駅の観光協会には、地元の山北みかんやちりめんじゃこが並び、レンタサイクルの案内もあった。列車の音を聞きながら、町の入口が売店でもあることに気づいた。
- 音楽室や陶芸室、531席のサンホールを備えた施設で、外の街音が少し遠くなる。見て聞いて体験できる場所という説明が、建物の中で実感に変わった。
- 四国自動車博物館では、1960年代から1980年代のレースカーなどが展示されている。エンジンは眠っているのに、車体の曲線から走行音を想像してしまった。
- 緑あふれる園内では、動物が生息地に近い環境で過ごす工夫がされている。大きな鳴き声を探していたのに、先に聞こえたのは草と鳥の細い気配だった。
- アクトランドは芸術・文化・技術の頭文字を名前に持ち、ミュージアムとファクトリーを備える。動物公園の静かな緑のあとでは、人の創作音が急に鮮やかに感じられた。
- 黒潮温泉龍馬の湯は野市町東野にあり、夜まで営業している。湯に入る前から、歩道の音が水の気配に変わるようで、最後に静かな余韻を残せそうだった。