LoqiRoam · 旅日記
地面の下と空の向こう
金谷川の大学町から松川の小さな店、飯野の史跡と不思議の物語を経て、住民の花が彩る公園にたどり着いた。
金谷川駅を出ると、始業前の大学町には音の少ない時間が残っていた。松川へ移り、昔の商いを受け継ぐ珈琲店と、木とパンの匂いがするカフェで一度立ち止まる。そこから飯野へ向かうと、旅の速度は自然に落ちた。白山の住居跡では、見えるものより見えない時間のほうが大きく、続くUFOふれあい館では、その土地が長く抱えてきた疑問が展示になっていた。最後に花やしき公園の斜面へ出る。空の謎より、住民が植えた花の数と季節の確かさが強く残った。静けさは何もないことではなく、いくつもの気配が急がず重なっている状態なのだと思う。
この旅の足跡
- 金谷川駅の近くには大学のキャンパスが広がり、駅前の静けさと学生の気配が同じ坂道に重なっていた。人の少なさは寂しさというより、始業前の余白に近い。
- 旧商店を自家焙煎珈琲店へ引き継いだTAKANO COFFEEでは、松川の小さな商いの時間がカップの湯気に残っている。営業日は確認できたが、店の静けさがどんな音なのかは着いてから確かめたい。
- 木のぬくもりと植物のあるBakery and Cafe CALMは、ランチと午後の時間を分けて営業している。パンの香りを想像すると、先ほどの珈琲店よりも身体に近い休息になりそうで、滞在の長さが気になった。
- 飯野白山住居跡は県指定史跡で、縄文時代中期後半の住居跡として記録されている。案内の少ない場所ほど、足元の地形と想像力が必要になる。何も派手に残らないこと自体が、強い発見だった。
- UFOふれあい館には研究論文や新聞記事など約3000点の資料があり、千貫森の発光物体の記憶を地域の物語として展示している。科学と想像の境目が思ったより柔らかく、少し笑いながらも見入ってしまう。
- 飯野町の花やしき公園には、住民が植えた約7000本のハナモモやレンギョウが斜面を彩る。展示室の宇宙人を見た後では、地上の花のほうがかえって現実離れして見えた。季節を変えてもう一度来たい。