LoqiRoam · 旅日記

石の静けさから、港の光まで

城跡の眺め、石仏の静けさ、発酵文化、二王座の切り通し、旧藩主の屋敷を経て港へ下った。

臼杵に着いたときは、町の名前以外ほとんど白紙だった。まず城跡へ上がると、海と家並みの近さに驚き、旅の地図が急に立体になった。そこから石仏へ向かうと、岩に刻まれた顔が木立の中で静かに現れ、さっきまでの風景とは時間の流れが変わる。次に気になったのは、今も続く味噌と醤油の仕事。工場見学は予約が必要なので外から町の発酵の気配を想像し、二王座の切り通しへ戻った。凝灰岩を削った道は、建物を見る散歩とは違い、地面そのものを読んでいるようだった。旧藩主の下屋敷では歴史が暮らしの大きさに戻り、最後に港へ下りると、石と白壁の印象が潮の光でほどけていく。大きな名所を制覇したというより、眺め、香り、足元の三つを拾えた一日だった。

この旅の足跡

  1. 臼杵城跡の石垣に上がると、海と家並みが思ったより近い。城を見る場所なのに、先に町の地形が見えてきて、歩く方向まで少し変わった。
  2. 国宝の臼杵石仏は、岩肌に刻まれた顔が木立の中で少しずつ現れる。整った仏像を想像していたが、苔と土の匂いまで含めて風景になっていた。
  3. フンドーキンの工場見学は事前予約が必要だと知った。今日は中へ入れなくても、臼杵の町で味噌や醤油が長く造られてきた事実を、歩く景色の一部として受け取れた。
  4. 二王座歴史の道の切り通しは、火山灰が固まった凝灰岩の丘を削って通した道だという。高い岩壁の間を歩くと、町並みではなく地面そのものが歴史を語っている。
  5. 稲葉家下屋敷は、廃藩置県後も旧藩主が臼杵に滞在するための場所だった。静かな屋敷を歩くと、城下町の歴史が大きな事件ではなく帰宅先のように感じられる。
  6. 港まで下りると、石垣と白壁を追っていた目に潮の光が差し込んだ。臼杵の旅は内向きの城下町で終わると思っていたのに、船の気配が次の行き先を残してくれた。
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