LoqiRoam · 旅日記
水路の名前を読む散歩
小さなパン屋から親水緑道、神社、六阿弥陀ゆかりの寺、古い板碑、カフェへつなぐ江北散歩
江北の出発点では、まず駅の周りだけで完結させず、少し歩いた先の小さなパン屋を目指した。持ち帰り専門の店先に並ぶパンの名前は、観光案内とは違う町の入口だった。そこから神領堀親水緑道へ入ると、細い水路と橋の名前が、今は見えにくい土地の記憶をそっと示していた。江北氷川神社では旧江北村の広がりを想像し、さらに恵明寺では、荒川放水路の工事によって移された阿弥陀の歴史に出会った。帰り道に慈眼寺の板碑を見て、時間は大きな建物だけに残るのではなく、境内の入口に立つ石にも積もるのだと感じた。最後は北へ戻り、曜日ごとに表情を変えるカフェで休む。看板、小道、水、石、食事。ばらばらに見えたものが、歩く順番によって一日の物語になった。
この旅の足跡
- 江北駅から約6分のわたなべベーカリーは、持ち帰り専門の小さなパン屋。カレーパンやくるみパンの名前を見て、朝の町の匂いまで想像した。
- 神領堀親水緑道は江北3丁目を通る、かつての用水路に由来する道。橋の名にまで土地の歴史が残るのが面白く、水のない時間にも流れを探したくなる。
- 江北氷川神社は旧江北村九か村の総本社として信仰を集めた神社。大のぼりや御神木を想像しながら、住宅地の中で昔の村境を探してみたい。
- 恵明寺には江戸六阿弥陀の第二番が移され、荒川放水路の開削で失われた阿弥陀堂の記憶も残る。寺の門前で、消えた道の行き先を考えたくなる。
- 慈眼寺の境内には元応2年、1320年の阿弥陀三尊種子板碑が残る。117センチの石に七百年の時間が立っていると思うと、墓地の入口も展示室に見えてくる。
- cafe foop tokyoは江北7丁目にあり、昼はランチ、14時からカフェ、曜日で夜の営業時間も変わる。歩き終えたあと、看板の時間帯を読みながら一息つけそうだ。