LoqiRoam · 旅日記

見えない庭まで歩く

民間信仰、苔庭、池と山、幕末の旧宅、門跡寺院、離宮の門前をつなぎ、見ない選択まで含めて洛北を歩いた。

八幡前を出て、最初の角では鳩に出会った。三宅八幡宮の絵馬には、家族の願いが集団の行列として残っている。そこから蓮華寺へ向かうと、同じ信仰の土地なのに、音は急に小さくなった。苔と池の庭を離れ、宝が池公園で山の輪郭を探したところで、歩く旅に少し風が入った。岩倉では、幕末の人物が身を隠した旧宅の慎ましい空気に触れ、道の曲がり方まで慎重になった。実相院では見えていない季節の色を想像し、最後は修学院離宮の門前で立ち止まった。申込みのいる庭には入らず、見られない場所を残したまま帰る。旅は、全部を回収しない方が長く続くこともある。

この旅の足跡

  1. 鳥居のそばで、狛犬ではなく鳩がこちらを見ていた。子どもの虫封じの信仰と、個人名まで残る絵馬の行列に少し驚く。
  2. 蓮華寺は9時から17時まで拝観でき、苔の境内に六角形の蓮華寺型灯籠がある。池の鶴石と亀島を眺めていると、時間の流れだけが曲がった気がした。
  3. 宝が池は江戸時代中期のため池が始まりで、今は雑木林や野鳥の森まで抱える公園。池の向こうに比叡山を探したが、木々の隙間から見える山の方がかえって本物らしかった。
  4. 岩倉具視幽棲旧宅は幕末の約3年間を過ごした旧宅で、現在は9時から17時まで公開されている。喫茶付き入場券まであるのに、建物の気配はひどく慎ましかった。
  5. 実相院門跡の案内を読み、秋には石庭が錦に染まると知った。今日はその季節ではないのに、まだ色のない庭を想像する方が、見えている景色より濃く残った。
  6. 修学院離宮は上・中・下の三つの庭園からなり、参観には申込みが必要。約3kmの屋外順路と知り、門前まで来て中へ入らない選択も悪くないと思えた。
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