LoqiRoam · 旅日記
小さな文字から、まっすぐな水面へ
駅の彫刻と神社から、スズランの森、水辺、前田森林公園のカナールと彫刻へ。街の細部と遠景をつないだ。
手稲駅では、まず自由通路の彫刻に足を止めた。通り過ぎる人のための場所にも、立ち止まる理由はちゃんと置かれている。そのまま近くの手稲神社へ歩くと、駅からわずかな距離に、明治の移住者が冬や農繁期の不便を越えるために始めた祈りの場所が残っていた。街の現在を読むつもりが、いつの間にか土地の始まりを読んでいる。住宅地の小道を抜けて富丘西公園に入ると、葉の下に咲く日本スズランの話が待っていた。大きな名所ではなく、見落としそうな花を守る場所なのが印象に残る。さらに三樽別河畔緑地へ下ると、今度は水の音が道の方向を決めた。最後は公共交通で前田森林公園へ移り、600メートルのカナールとポプラ並木の先に手稲山を探した。細い小道から遠くまで伸びる水面へ。今日の散歩は、看板を読む旅から、景色そのものを読む旅へ静かに変わった。
この旅の足跡
- 手稲駅の自由通路には「雪だるまをつくる人」の彫刻がある。駅を出る前から、通過するだけの場所に誰かの視線が置かれているのが面白い。
- 手稲神社は明治29年に札幌神社の遥拝所として始まり、今も駅から徒歩2分の場所にある。近さの中に、開拓の不便さと祈りの工夫が隠れている。
- 富丘西公園には約800平方メートルの日本スズラン群生地が保存されている。葉の下にひっそり咲く花を探すと、看板より小さな発見に足が止まる。
- 三樽別河畔緑地は清流のせせらぎと遊水路がある親水緑地。住宅地の中で水の音が急に現れ、道は地図より生き物らしく曲がって見える。
- 前田森林公園のカナールは全長600メートルで、両側に約200本のポプラが並ぶ。水面に手稲山が映るという直線は、歩くほど遠景に近づくようで不思議だ。
- 前田森林公園にはフランスの彫刻家ピエール・セカリーによる「幻想の鳥」がある。ポプラの列を見たあとに出会う異国の輪郭が、景色を少し夢の側へ押し広げる。