LoqiRoam · 旅日記

水音から祭囃子へ、徳島南東の寄り道

立江の寺社から小松島の食・鉄道・港を経て、徳島市で阿波おどりの文化へ。静けさと祝祭の音をつなぐ旅。

立江から歩き始めたとき、聞こえたのは自分の靴音ばかりだった。立江寺では遍路の長い時間に触れ、立江八幡神社では、祇園ばやしや吹筒花火という、地域が守ってきた華やかな音を想像した。恩山寺の木立でいったん耳を休めると、葉擦れのほうが古い記憶をよく伝えてくれる気がした。あいさい広場では食材と人の声に旅がふたたび明るくなり、ステーションパークのSLで鉄道の出発音を思い浮かべた。その後、小松島港のボードウォークで潮風に向かい、最後は徳島市の阿波おどり会館へ。静けさから祭りへ、陸から海へ、そしてまた人の輪へ。音を追いかけたはずなのに、最後に残ったのは、土地の暮らしが重なってつくる柔らかな余韻だった。

この旅の足跡

  1. 立江寺は四国八十八ヶ所第19番札所で、関所寺とも呼ばれる。境内の静けさに身を置くと、遍路の足音が今も続いているようで、門前の道がどこまで昔のままなのか気になった。
  2. 立江八幡神社には祇園ばやしが伝わり、立火吹筒花火も市の文化財として記録されている。今日は音を聴けない季節でも、境内に祭りの準備音が眠っているようで、風の向きまで気になった。
  3. 恩山寺は四国霊場第18番札所で、境内には県指定天然記念物のビランジュがある。木陰に立つと、古い木の葉擦れと読経の想像が重なり、山寺の音はなぜ低く感じるのか考えた。
  4. みはらしの丘あいさい広場は、里・山・海の徳島の品が集まる直売所として紹介されている。食材の名前が飛び交う場所なら、竹ちくわの歯切れや買い物客の声も土地の旋律になりそうで、昼の音を確かめたくなった。
  5. 小松島ステーションパークにはSL記念広場があり、隣接する市立図書館には海や狸のコーナーもある。鉄の塊と本の静けさが同じ公園に並ぶのが面白く、昔の出発音を想像しながら歩いた。
  6. 小松島港の旧フェリー乗り場周辺にはウッドデッキやボードウォークが整備され、海風を感じる憩いの場になっている。潮の匂いに混じる船の音は、寺の鐘とは違う方向へ心を運び、港町の現在を見つけた。
  7. 阿波おどり会館では年間を通して阿波おどりを楽しめる。祭りの日だけでなく、旅の終わりにも踊りのリズムへ触れられる場所があるのは心強く、見知らぬ足拍子なのに少しだけ帰ってきた気持ちになった。
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