LoqiRoam · 旅日記
看板色から山の青まで
市場、古い庄屋屋敷、商店街、信夫山、美術館、駅前の水を巡り、暮らしの色を集めた。
卸町を出ると、朝の通りにはまだ一日の準備中の気配があり、最初に見つけたのは市場らしい実用の色だった。そこから旧佐久間邸へ寄り道すると、大黒柱や囲炉裏の濃い茶色、土間の土色が目に入り、街には買い物だけでなく残しておきたい時間もあるのだと感じた。パセオ通りでは、スズラン通りと呼ばれていた頃から続く道に看板が重なり、歩く速度まで少し弾む。けれど信夫山の緑と空を見上げ、美術館の庭へ抜けると、駅前を歩いていたはずなのに遠くまで来たような気持ちになった。最後は東口のももりんウォーターで、子どもたちの絵が入った小さな色を見つけた。派手な名所より、暮らしのそばにある色のほうが、帰ってからも長く残るみたいだ。
この旅の足跡
- 卸売市場の建物には、朝の搬入口らしい直線と商品を知らせる強い色が並んでいた。まだ静かなのに、街が起きる音を想像できて楽しい。
- 旧佐久間邸は大黒柱や囲炉裏、土間が残る庄屋屋敷で、堀と石垣まで見える。入口の木の濃さに、何代分の朝が染みているのか気になった。
- パセオ通りは以前スズラン通りと呼ばれ、今はレンガ通りなどにもつながる繁華街。看板の色が雨の日の傘みたいに重なり、歩く速度が自然に落ちた。
- 信夫山は福島盆地に残る標高275メートルの孤立丘で、公園には花のアーチもある。駅前の色を探していたのに、最後は緑と空がいちばん大きく見えた。
- 福島県立美術館は信夫山のふもとにあり、広い芝生や日本庭園も備える。展示室の色を見たあと外へ出ると、作品の余韻が木々の間でほどけた。
- 福島駅東口のももりんウォーターには、近くの小学生が描いた絵が看板やポケットに使われている。帰る場所の水に、街の子ども色が混ざっていてうれしい。