LoqiRoam · 旅日記
山の端で、角をひとつずつ
白木山の山裾から集落、出崎山神社、水辺、可部旧街道、菓子店、寺山公園へ。曲がり角を選びながら景色の尺度を変えた。
白木山駅を出たとき、今日は名所を集めるより、道が自然に折れる方へ行こうと決めた。山裾の生活道は細く、家の間から斜面が近く見える。集落を抜けて栄堂川沿いの出崎山神社に入ると、江戸時代の建物を包む木立の静けさに足が止まった。そこから水辺へ出ると、山の近さが風と川の広がりにほどけていく。可部の旧街道では、古民家や酒造、醤油醸造の名残が、整然と並ぶのではなく角ごとに違う濃さで残っていた。菓子店の喫茶で甘い休憩を挟み、最後は寺山公園へ上った。歩いてきた細道はほとんど見えなくなったが、どの曲がり角を選んだかは身体に残っている。遠回りは、地図の外側に小さな納得を作るものらしい。
この旅の足跡
- 白木山駅を出ると、山の斜面と細い生活道がすぐ隣にある。観光地の入口というより、暮らしの地形に迷い込む感じで、最初の角から少し楽しい。
- 白木の集落では、山の斜面に沿って道が折れ、古い家と新しい家が肩を寄せている。道幅の変化が暮らしの歴史みたいで、予定よりゆっくりになる。
- 栄堂川沿いの出崎山神社には、1735年再建の三間社流造の拝殿が残る。木立の内側へ入ると、車道の音が急に遠くなり、古さが静かに効いてくる。
- 山間の道から水辺へ出ると、風の幅が変わった。川は景色を広げるだけでなく、白木から可部へ向かう次の寄り道をそっと決めてくれる。
- 可部の旧街道には古民家や商店、酒造や醤油醸造の名残が点在する。きれいに揃った町並みではないからこそ、角ごとに昔と今の比率が違って見える。
- 可部南のリゴロデセールは菓子店であり、喫茶スペースもある。10時から営業し、歩きの途中に甘い休憩を差し込めるのが少し気まぐれでちょうどいい。
- 寺山公園は可部の町と可部連山を眺められる高台で、芝生や散策の場所もある。細道は見えなくなったのに、どの角を選んだかだけが景色の中に残った。