LoqiRoam · 旅日記
白磁の町に、赤と緑の寄り道
有田駅から陶磁文化館、赤絵町、窯業の歴史をたどり、最後に大公孫樹と泉山磁石場で自然と原料の色へ戻る旅。
有田駅を出たときは、駅前の看板や車の色を集めるつもりでした。けれど最初に九州陶磁文化館へ歩くと、器の白は白だけでなく、青や赤を受け止める余白なのだと感じました。赤絵町では細い道と家の近さに職人の生活を想像し、有田陶磁美術館では石蔵のざらつきと古い器の艶が同じ時間を抱えていました。陶山神社の白磁の鳥居で町と焼きものの距離が急に近くなり、そこから泉山へ向かうと、千年の大公孫樹の緑が目に飛び込みました。終着の磁石場では、店先に並ぶ器の前に、土を掘った山の傷があることを知りました。今日は色を集めたというより、色が生まれる順番を歩いて見た旅でした。
この旅の足跡
- 無料で入れる九州陶磁文化館は9時から17時まで。器の白に青や赤が重なり、駅前から歩いて来た町の色が急に深く見えました。
- 赤絵町は昔、赤絵職人が集められた一角。細い道の家並みに赤の気配を探すと、観光地というより仕事場の町に見えてきて少し驚きました。
- 明治の石蔵を使う有田陶磁美術館は16時30分まで。古い器の艶と建物のざらつきが並び、焼きものは中身だけでなく置かれる場所も色だと気づきました。
- 陶山神社には白磁の鳥居や磁器の奉納物があります。階段の先から町を見下ろすと、屋根の色が器の釉薬みたいに重なって見えました。
- 泉山の大公孫樹は樹齢約1000年、高さ約30メートル。大火をくぐった木の緑が、白い器ばかり探していた目に力強く飛び込んできました。
- 泉山磁石場は磁器の原料となる陶石を掘った跡で、採掘の傷が山肌に残ります。白磁の始まりが白い店先ではなく、荒々しい岩だったのが今日いちばんの発見です。